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ビジネスモデルの競合分析を“顧客目線”で可視化する

第6回

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 前回は、ビジネスモデルの1つ目のビジネス要素である「価値提案」とそのサブ要素である「オファー」の定義、「価値コンセプト」や「価値論拠」という属性についてご説明しました。今回は、「価値レベル」、「価格レベル」、「価値ライフサイクル」という属性、そして価値提案の分析ツールについてご説明します。

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競合比較の観点で「ビジネスモデル」を考える

価値レベル 図1.価値レベル 前回の記事に続きオファーの2つ目の属性は、「価値レベル」です。価値レベルとは、競合他社と比較した提供価値の定性的な度合いを示します。ここでは、コモディティ、プレミアム、プロセスイノベーション、プロダクトイノベーションという4つの属性値をサンプルにご説明していきましょう(図1)

コモディティ

 1つ目の価値レベルは、「コモディティ」です。これは、「事業体が提供する価値提案」が、競合他社のものと際立って差別化されていない、ということを意味します。したがって、コモデティの差別化は、低価格を通じてなされることが多くなる傾向にあります。また、どんなに革新的なプロダクトでも、競合他社に模倣されることにより、コモディティ化の道を辿ることになります。世に現れた当時は画期的であったデジタルカメラや液晶テレビも、コモディティとなりつつあります。

プレミアム

 2つ目の価値レベルは、「プレミアム」です。プレミアムという言葉は色々な意味を持っていますが、ここでは顧客がコモディティと比較して、プラスアルファの対価を払ってでも手に入れたい価値レベルを指すものとします。プレミアム価値を向上させるためには、ターゲット顧客を絞る、提供チャネルや生産量を限定し希少性を醸し出す、値崩れを防ぐ、たくさん売ろうとしない、というような戦術を採用する必要があるでしょう。たとえば、ポルシェ社は「常に需要より1台少なく作れ」をモットーにしています。また、ブランドを通じた信頼価値を向上させることも、重要な要素の1つですね。

プロセスイノベーション

 3つ目の価値レベルは、「プロセスイノベーション」です。プロセスイノベーションとは、プロダクトそのものはコモディティであっても、それを顧客に届けるまでの製造方法や流通といったプロセスを革新するにより価値を向上させることを指します。顧客が価値を認識できるプロセスイノベーションを行うためには、ビジネスモデルの他の要素を価値提案と組み合わせて考えていく必要があります。

 プロセスイノベーションにおいては、体験価値や利便価値といった価値論拠を訴求することが重要になってきます。たとえば、DellやAmazon.comの提供しているプロダクト自体はコモディティですが、プロセスイノベーションによって優位性を確立した良いお手本です。

プロダクトイノベーション

「バンドリング」と「アンバンドリング」 図2:「バンドリング」と「アンバンドリング」4つ目の価値レベルは、「プロダクトイノベーション」です。狭義のプロダクトイノベーションとは、全くの新しいプロダクトやサービス、あるいは革新的なプロダクトとサービスの組合せの、どちらかを創造することを意味します。プロダクトイノベーションとして、近年最も注目を浴びているものの1つが、既存プロダクトやサービスの「バンドリング」と「アンバンドリング」ではないでしょうか。iPhoneはバンドリング、Kindleはアンバンドリングの典型的な例といえるでしょう(図2)。

次のページ
「価値提案」を競合企業と“価格レベル”で比較する方法

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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