アトラシアンは2025年10月23日、社内外のサービス運用・サポートをAIエージェントと統一プラットフォームで一元管理できる「Atlassian Service Collection(サービスコレクション)」の提供を開始したと発表した。

業務のデジタル変革を進める多くの企業において、従来分断されていたITサポートや従業員・顧客向けサービスを統合し、業務効率や満足度を向上させる基盤構築が急務となっている。近年ITサービス管理(ITSM)のほか、部門横断的なエンタープライズサービス管理(ESM)やその社外展開が注目されており、新サービスはこの潮流に対応している。
Service Collectionは、60,000社以上で利用されている「Jira Service Management(JSM)」を基軸に、「Customer Service Management」など2つの新製品、さらにAIエージェント機能を包括した。JSMはIT部門のインシデントやリクエスト管理、開発・運用連携のみならず、人事や総務部門の社内リクエスト対応も網羅する。
新製品「Customer Service Management」は、AI基盤によるオムニチャネル対応を特徴とし、社外顧客向けサポートを高度化。メール、チャット、Web、電話の各チャネルを単一ワークスペースで統合し、Amazon Connect連携やAIによる即時解決提案を実現。複雑な案件は担当者に即座に引き継がれる。こうした連携によって、顧客情報や関連サービス、ドキュメントも一元的に把握でき、パーソナライズされたサポートが可能となる。

資産管理分野では「Assets」と新機能「Data Manager」を追加。あらゆる企業資産の精度維持・一元管理のニーズに対応し、Data Managerによって20以上のデータソースからの資産データ自動収集・統合が可能となった。これにより、情報の鮮度や信頼性が高まり、インシデント防止やコスト抑制に寄与するとしている。

AIエージェント「Rovoサービスエージェント」は、リクエスト自動化やトリアージ対応、ナレッジの自動提案などを担い、問い合わせ対応や新入社員オンボーディングの効率化までカバーする。部門横断業務の自動調整により、人手の負荷を軽減し、サービスの品質向上につなげる。

Service Collection導入により、企業は以下の価値を得られる。
・社内外サービスの統合、情報分断の解消による業務効率化
・AI自動化による対応スピード・品質向上
・IT・開発・ビジネス部門などの連携強化
・コスト削減と運用負荷の低減
・ノーコード拡張やツール連携による柔軟性
アトラシアンは今後も、企業の変革や運用現場の課題解決、顧客・従業員体験の向上を支援するデジタル基盤を提供していく方針である。
【関連記事】
・キャスター、財務分析を自動化するAIエージェント「ECHO BOARD」を正式リリース
・日立とGen-AX、生成AI活用の成熟度を評価し業務変革を支援する「MA-ATRIX」を無償公開
・アクセンチュアとGoogle Cloud、Gemini Enterpriseによるエージェント型AI導入支援を強化