2025年10月22日、アクセンチュアとGoogle Cloudは、Gemini Enterpriseを活用したエージェント型AIソリューションによる、企業の変革推進体制を強化すると発表した。両社は、これまでGoogle CloudのAI技術が複数業界で活用された実績に基づき、企業の業務効率化と新たなビジネス価値の創出を支援する。

エージェント型AIプラットフォーム「Gemini Enterprise」を用いた導入支援では、企業のさまざまな職務に対応し、従業員が業務プロセスでAIを活用できるよう設計されている。アクセンチュアが保有するクラウドとAI分野の知見と、Google Cloudの先端技術を統合し、データとAIをシームレスにつなぐデジタルコアを構築することで、業務フローの集約やエージェント開発の迅速化、全社規模での変革を推進する。
両社が共同運用する「生成AI センターオブエクセレンス(CoE)」では、Google GeminiモデルとGemini Enterpriseを活用し、マルチエージェントシステムの連携・拡大を支援する。これにより、企業は複雑なビジネス課題解決や価値創出の基盤を強化可能となる。
具体的な導入事例としては、JCOMがアクセンチュアやGoogle Cloudと連携し、カスタマーセンター業務でGeminiを活用した「JAICOプロジェクト」を展開。AIが会話内容を自動要約することで、月間数十万件の対応効率と品質の向上を実現している。
また、ラディソンホテルグループは、全顧客接点で多言語対応を推進。Vertex AIとGeminiモデルにより多言語広告の個別最適化を自動化し、従来数週間かかっていたプロセスを数時間に短縮するとともに、生産性は50%向上、AI活用キャンペーンによる収益も20%以上増加した。
米国大手保険会社では、Google Agentspaceを活用し、社内コラボレーションやデータツールを統合した全社情報基盤を構築。社員が一元的に知見を取得でき、業務効率化と顧客サービス向上を実現した。
加えて、アクセンチュアは15業界を対象としたAIエージェント開発コンテスト「Google Agentic AI Codefest」を開催。開発した450を超えるAIエージェントはGoogle Cloud Marketplaceで利用でき、Gemini Enterpriseからの一元管理も可能となっている。
さらに両社は、企業の人材リスキリングやスキルアップを支える研修プログラムも提供し、導入や活用を支援している。
今回の発表により、アクセンチュアとGoogle Cloudはエージェント型AIによる業務変革と新規ビジネス創出をさらに加速させる方針である。
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