帝国データバンクは2025年12月11日、2026年に創業や設立から節目の周年を迎える企業（個人経営・特殊法人・団体を含む）が全国で14万5,159社にのぼるとの調査結果を発表した。本調査は同社の企業概要ファイルや企業信用調査報告書、外部情報をもとに分析したもので、第16回目となる。

　周年の内訳では、2006年創業の「20周年」企業が2万6,663社と最も多かった。「50周年」企業は1万7,939社、「100周年」企業は2,371社あった。また、上場企業は457社確認され、「20周年」と「80周年」を迎える上場企業が共に79社で最多、「10周年」は46社、「30周年」は44社、「60周年」は33社となった。

　業歴が最も長い企業としては、「150周年」を迎える荒川化学工業（大阪市中央区）と大日本印刷（東京都新宿区）が挙げられる。大日本印刷の北島代表は「挑戦の企業文化と独自の“P&I（印刷と情報）”を強みに、新たな価値創造への挑戦を続ける」とコメントしている。こうした変革や挑戦の精神が長寿企業の持続を支えている要因となっている。

　業種別にみると、建設業が4万1,484社（28.6％）と最多、続いてサービス業が3万9,653社（27.3％）で、この両業種だけで半数超を占めた。周年別でみると、「10周年」ではサービス業が36.9％、「50周年」は建設業が31.8％、「100周年」は小売業が24.7％を占めており、産業構造の変遷が周年ごとに反映されている。

　主な周年記念企業では、400周年を迎える新潟の鮭加工メーカー・きっかわをはじめ、「100周年」で豊田自動織機、信越化学工業、東レ、クラレ、集英社、富士急行などが名を連ねる。「50周年」にはスギホールディングス、リコーリース、叙々苑、ハンズなどが該当する。「10周年」では伊藤ハム米久ホールディングス、ベースフード、matsuri technologies、ANA Xなどが挙げられた。

　経営者の就任経緯をみると、「創業者」2万9,055社（42.7％）、「同族承継」2万5,923社（38.1％）で、ファミリー企業が約8割を占めた。「オーナー」企業は1万3,376社となった。また、周年によって世代交代の度合いが異なり、50周年では同族承継・内部昇格が約6割を占め、世代交代が進んでいる。

　周年を契機にした取り組みも拡大しており、カネテツデリカフーズは、100周年にあたり記念サイトを開設し、歴史や商品開発、SDGsの活動を発信する。クラレや井関農機でも記念事業やロゴ刷新、未来志向のメッセージ発信などを展開している。

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