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戦略投資とファイナンス

戦略投資-シミュレーションと意思決定の方法論

第1回

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戦略投資の課題-方法論の欠如、複数案の検討不足

戦略投資の課題2-議論・検討の方法論が欠けている

 「もっと検討しろ」と上司や役員に言われて、何をやっていいかわからないのは、とてもツライ状況です。その前に、そもそも何から始めればよいかわからない、ということもあります。検討を深める、といってもどうしたらよいだろう、というのは立案者によくある悩みです。

 一方で、意思決定者から聞くのは、「最近、小さくまとまっている案件が多い」という悩みです。おそらく大失敗にはならないけれども、新たな成長の柱にもなりそうにない、そんな案件の割合が高くなっている企業があります。たとえば、製造設備が古くなったから更新する、というような守りの案件ばかりで、攻めの案件が足りない、という問題です。

 また、意思決定者からは、「新規事業の提案が経営陣としては採用出来ない理由を、どこが良くないか理論的に説明したい。よい方法は無いものか?」と聞かれることもあります。意思決定者の直感は大切で、必ずしもいつも説明できなくて良いと私は思います(説明できなければならないから、という理由で、直感を隠してはならない、という意見です)が、説明できればそれに越したことはありません。

 また、成功に必要な仮説は、あくまでも立案当初の仮説であって、プロセスが進むごとに新たな情報も含めて、現実的なものに収斂していきますから、実行後のフォローアップが極めて重要です。しかし、案件ごとに議論を行っていると、フォローアップのポイントがバラバラになり、結果的にフォローができていないという状況が生じます。

 このような状況を避けるため、議論・検討の方法論を共有することが必要です。

戦略投資の課題3-計画案がベストであるか、確信が持てない

 「他に案は無いのか」という議論はされていますか?最終的に案を絞るとしても、選択肢は複数存在するかもしれません。登山のルートが複数存在することが多いように、戦略投資の目的(登山にたとえれば、目指す山頂)は同じでも、計画案は複数ありうるものです(どの山に登るべきか、という別の次元の議論も、もちろんあります)。近年、大手企業では、重要な意思決定に関する検討経緯を残すことが求められており、関係者にうまく説明できないと困る、という状況があります。このような場合には、「もしも」の場合のストレステストを求められることがあり、手間もかかります。

 このように、ベストの選択であることを確認するために、複数案を迅速に検討しなければならないことが、大きな問題となっています。

 他にも重要な問題はたくさんあると思いますが、ビジネスシミュレーションは、上記のような問題の解決に取り組む手段として利用されています。そうそう、こんなことあるよ、と思っていただければ、きっとこの連載がご参考になると思います。

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「戦略投資」のための計画立案法、意思決定法

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この記事の著者

小川 康(オガワ ヤスシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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