2026年3月26日、AI insideが金融機関向けの財務諸表処理ソリューションの提供を開始したと発表した。本サービスは独自開発した大規模言語モデル(LLM)「PolySphere-4」を活用し、企業ごとにフォーマットが異なる複雑な財務諸表を高精度にデータ化するものだ。さらに、AIエージェントを活用して読取結果を審査システムに自動連携し、財務諸表の読み取りからシステム登録までの一連の業務を自動化する。

金融機関の融資審査業務では、提出された財務諸表を参照し、売上高・営業利益・経常利益・純資産などの財務情報を日常的にシステムへ入力する必要がある。しかし、各企業の財務諸表はフォーマットが異なるうえ、勘定科目の階層構造や小計、内訳、複数年度比較などが含まれる場合が多い。そのため、従来のAI-OCRでは安定した読み取りが難しいことや、システム登録時には多画面でのデータ入力が求められ、業務負荷や入力ミスの要因となっていた。
本サービスはPolySphere-4の文書構造や文脈の理解力を生かし、階層構造や内訳の情報も保持したまま財務諸表をデータ化する。さらに抽出されたデータをAPI経由で審査システムへ自動連携するため、業務の自動化が可能となる。
主なユースケースは、融資審査業務の省力化である。従来、企業ごとに異なる財務諸表の確認・転記は1日あたり5〜7時間かかるケースもあったが、本サービスの導入で1日1〜2時間まで短縮でき、月間では約100時間の業務削減が見込まれる。また、財務諸表だけでなく、勘定科目内訳書や試算表など他の財務関連書類も処理可能としている。
AI insideは、生成AIやLLM、自律型AIの研究開発・社会実装を推進している。主力製品「DX Suite」などを通じて、多様な日本語文書処理やデータ入力の自動化を進めてきた。今回の財務諸表処理ソリューションも、金融機関の業務効率化を支援する新たな取り組みとなる。
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