仮説指向計画法(DDP)が必要な理由

第4回

[公開日]

[著] 小川 康

[タグ] ビジネスモデル 競争戦略 ファイナンス

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Discovery-Driven Planningの柱の一つ:
逆損益計算法

 「逆損益計算法」は、まずビジネスのゴール(目標)を明確にし、どうすればそのゴールを達成できるかを考える手法です。逆損益の語源は、損益計算書が売上や様々な行動の結果から利益を計算することに対して、逆損益計算法では、利益を達成するために必要な行動を考えることに由来します。

逆損益計算法は、未来のゴールから、どうすればゴールを達成できるかを考えるアプローチ図表2.逆損益計算法は、未来のゴールから、どうすればゴールを達成できるかを考えるアプローチ
過去の延長で考えるアプローチとは大きく異なる

収益構造を明確にし仮説を洗い出す

 逆損益計算法では、まず、ビジネスが成功した年の状況を具体的に構想します。マクミラン教授らは、この状況を「steady state(定常状態)」と呼び、当初のビジネスゴールが達成されている状態と定義しています。そして、そのsteady stateを実現する条件を、図3のように、ロジックで分解していきます。

 なぜ分解するかというと、ゴールはたいていの場合、さまざまな行動の結果であり、そのままでは必要な行動を議論・検討しにくいからです。したがって、単に分解することが目的なのではなく、議論・検討が具体的に可能なレベルに分解することが目的なのです。

逆損益計算法での利益の分解と、仮説の洗い出し図表3.逆損益計算法での利益の分解と、仮説の洗い出し

 利益や売上はデータに分解されていきますが、確定していないデータを仮説と呼びます。仮説と呼ぶ理由は、事実ではなく、外れることがあるからです。仮説の値は決まっていませんから、決め打ちせずに必ず幅をつけることが、とても重要なルールです。ここで未確定のデータを決め打ちしてしまうと、未確定であるにもかかわらず、あたかもそうなるかのように見えてしまいます。

 売上や費用の分解は既存事業であれば簡単ですが、新規事業では苦労するかもしれません。どの程度分解できるかは、その事業に対する理解度によります。理解度が不足していてあまり分解ができなければ、具体的な行動を検討することも出来ず、あいまいなビジネスプランになってしまいます。

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