IBMは、テクノロジーとビジネスの新たな時代の重要なテーマとなる「コグニティブ・ビジネス」を提唱し、強力に推進している。コグニティブ・ビジネスは、インターネットなどを通じて日々生み出される膨大なデータを理解し、人と自然にかかわり合い、これまでにない規模で学習し、目的を持った推論をするシステムを利用することで、人がより良い意思決定をできるよう支援するものだとしている。
また、2015年11月に発表した「IBMグローバル経営層スタディ(IBM C-suite Study)」では「ウーバライゼーション(Uberization)」と呼ばれる、新たなタイプの競合が突然現れて業界秩序を破壊するという現象に、経営者が強い関心をもっていることが分かったという。IBMでは、そのような経営者の方向性を踏まえ、ウーバライゼーションに対抗する企業のために、「デジタル企業への変革(Digital Reinvention)」というコンセプトを打ち出し、その実現を支援していくという。
NIIの「コグニティブ・イノベーションセンター」は、コグニティブ・テクノロジーを社会、産業や新ビジネスに結びつけ、日本の社会や産業界に破壊的イノベーションをもたらすことを目的としている。
日本IBMでは、同センターの取り組みや活動によってもたらされる今後の展望に賛同し、運営を支援することになった。具体的には、研究者やコンサルタントによる研究会の支援、「IBM Watson」やアプリケーションの構築・管理・実行を行うためのクラウド基盤「IBM Bluemix」の提供などを行う。また、顧客企業と共に未来を創造する拠点として2015年10月に新設した「戦略共創センター」を研究会開催場所として提供する。