2025年12月22日、KPMGコンサルティング(本社:東京都千代田区)は、データサイエンスを活用したプライシング分析の高度化支援サービスの提供を開始した。本サービスは、企業の利益最適化およびデータドリブンな戦略的意思決定の実現を目的としている。
近年、円安やエネルギー価格の高騰、供給不足などの影響で物価が上昇し、各社の収益性に大きな影響が生じている。そのような環境下において企業は、過度な負担を消費者や取引先にかけることなく、適正な価格で高品質なサービスを提供し、持続的な事業発展を実現する体制構築が求められている。一方で、繁忙期と閑散期による需要変動や、価格転嫁の難しさなど、利益管理の課題も浮き彫りになっている。
KPMGコンサルティングは、KPMGジャパンのデータ&テクノロジーの中核機能を担うKPMGアドバイザリーライトハウスと連携し、需要予測から価格最適化までのモデリング技術と、業界特有の知見を組み合わせた高度なプライシング分析手法を提供する。これにより、企業は需給バランスの最適化や利益率の向上を目指した戦略的な意思決定が可能となる。
主な技術特徴として、需要予測モデルと供給最適化モデルの2つを組み合わせ、価格変更時の販売量や売上高、原価、利益をシミュレーションできる点が挙げられる。需要予測モデルでは、統計モデルや機械学習モデルを利用し、価格弾力性や需要量の変化を解析。供給最適化モデルでは、会計の観点から収益構造のシミュレーションを実施する。
また、状態空間モデルなど高度な統計手法を利用し、長期トレンド、季節変動、カレンダー要素、ノイズなどを含めた堅牢な需要予測も構築する。最適価格の算出には数理最適化アルゴリズムを用い、実際の業務 constraintsを考慮した上で現実的な価格案を導出する。
加えて、財務・会計分野に関する深い専門知識と、多国籍サプライチェーンや内部取引など複雑なビジネス環境にも対応する体制を整え、利益最大化だけでなく販売インセンティブ重視など多様な経営目標にも柔軟に対応可能である。
KPMGコンサルティングは本サービスを通じて、企業の事業安定化と発展、中長期的なサプライチェーン全体のデータドリブンな戦略的意思決定の推進を目指す。
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