三菱重工グループは2025年12月22日、AIやデジタル技術活用による価値創出と高収益体質の実現に向けて、グループ全体でのデジタル人材(DI人材)育成を加速する取り組みを発表した。
同グループは、「全体最適」と「領域拡大」を二本柱とする経営方針「Innovative Total Optimization(ITO)」の実現に向けて、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を重要な戦略課題として位置付けている。競争力強化と持続的成長のため、国内外約300社から成るグループ全社員—一般社員から経営幹部まで—を対象に、体系的なDI人材育成プログラムを展開する。
この取り組みでは、外部パートナーやスタートアップとの協業によるオープンイノベーションも推進。先端技術の知見を積極的に取り入れ、グローバルな人材ネットワークの形成と高度な人材育成を目指している。
成長・スキル変化を可視化するために「DI人材認定制度」を制定。経済産業省の「デジタルスキル標準」を参考にしつつ、独自の人材モデルを定期的にアップデートし、BASIC・ADVANCED・MASTERという3段階の認定を実施する。認定基準は教育プログラムの受講実績、資格取得状況、プロジェクト経験などを総合的に評価。特にMASTER認定についてはデジタルイノベーション本部が定めた審査者による厳正な審査を行っている。
加えて、DX推進を全社的に加速するため、社員がAIやデジタル技術を活用する知見を日常的に共有する「コミュニティ」=交流の場も整備。海外拠点と連携する「グローバルITカンファレンス」や、毎月開催されるAI活用講義「AIサロン」、業務改善アイデアを募るアイデアコンテストを実施し、全事業所から具体的な改善提案が生まれている。
これらのコミュニティ活動によって、社員が自ら課題を発見し、デジタル技術を用いて解決策を形にする循環型のプロセスが進んでいる。具体的には、課題抽出からユースケース創出、システム実装、効果検証までを自律的に実践。業務効率化や新たなビジネスモデル創出といった成果も現れている。
今後もグループ全体でのデジタル人材育成に注力し、認定制度やコミュニティ・実践を通じてDX推進と成果創出の好循環を構築。将来的には、育成したDI人材がグループのDX推進の中核として、新たな価値創造や事業変革を牽引することを目指すとしている。
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