記者会見では、TFFと提携企業が提携に至った経緯や今後の展望についてコメントしただけでなく、TFF内で予定している「50万円で打ち上げられる人工衛星」の開発者である筑波大学の亀田敏弘准教授がデモンストレーションを披露した。
参加メンバーは次のとおり。
- 筑波フューチャーファンディング(TFF)
- 株式会社ライトアップ
- 株式会社DMM.com(DMM.make.AKIBA)
- 株式会社バリュープレス
- 株式会社イトーキ
- アリベルタ共同会計事務所
- 筑波大学
TFFは、筑波大学のOBが「もっと学校や地域を支援したい」という思いから始まったという。起業支援の仕組みは他にもあるが、例えばVCでは「成長して欲しい」「上場して欲しい」と大きくスケールすることを求められる。TFFでは、小さく始められる、起業のハードルを下げる、失敗してもまたやり直せる事を大切にするため、クラウドファンディングという形をとったとしている。
当初から元LINEの森川氏も関わり、スタートアップウィークエンド、筑波クリエイティブ・キャンプ(TCC)、つくばアクションプロジェクト(T-ACT)で学生のアイディアを引き出すことから始まっている。その後TFFの結成、今回の各業界の6社との提携を経て、今後はシリコンバレーとの接点を持つことを予定しているという。
人工衛星のプロジェクトは2010年から2011年にかけて始まり、当初から亀田准教授が実質的責任者として活動している。人工衛星の研究には多大な資金がかかるため、実践的な講義をすると研究費だけではすぐに資金がつきてしまうため、学生たちからTFFでお金を集めるという案が出てきたという。
多大な資金を使わずとも研究が進められるように、安いモジュールの開発ができないかと模索していた時に、JAXAから宇宙試験装置、振動試験装置の提供があり、さらに、筑波大学の放射線装置も2015年度から稼働し、50万円足らずで打ち上げられる人工衛星が開発できたという。
今後は、人工衛星を実際に打ちあげたという実績を重ね、衛星モジュールを販売する会社を学生主体で運営したいという。学生時代から事業運営やJAXAへの報告資料作成などで実務に関わることで、将来の世界を担う人材を輩出していくことを期待しているという。