インタビュー 「複業」という生き方

「大企業×地方移住」というスタイルでの複業―キャリアの活かし方、働き方、お金のこと

第3回:サービスデザイナー 津田賀央さん インタビュー【前編】

 テクノロジーの進化によるワーク・シフトやライフスタイルの多様化から、昨今、働く場所や時間にとらわれない「働き方」が受け入れられるようになってきました。今回のインタビュー連載では、パラレルキャリアの中でも、本業以外に仕事を持つ「複業」を実践している方々に登場いただき、実例を通して、どのようにして自分に合った働き方、生き方を見つけていくかを探っていきます。
 お二人目のゲストは、東急エージェンシーを経て、ソニーの企画開発セクションに転職後、2015年5月からは富士見町に移住、会社勤務と個人オフィス経営を両立させている津田賀央さんにお話をお伺いします。

[公開日]

[語り手] 津田 賀央 [取材・構成] 中村 龍太 栂井 理恵 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイルIT ワークプレイス ダイバーシティ ワークスタイル 複業 パラレルキャリア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

正社員から週3日勤務の契約社員という生活へ

――現在、津田さんは、長野県富士見町を拠点として生活しながら、週に3日は会社勤務、それ以外を自ら起業した「Route Design」で仕事をするという「働き方」を実践されていると伺いました。まず、具体的にどんなふうに働いていらっしゃるのか、教えてください。

津田賀央さん(以下、敬称略): 東京・品川にあるオフィスに出勤するのが、週に火・水・木の3日、それ以外は富士見町の自分の自宅か、自分が運営する「富士見 森のオフィス」で仕事をしています。どちらが忙しくなっても、その配分は変わりません。ソニーに出勤するのは週3日で抑えるようにしています。ただ、役員への提案、打ち合わせ、役員や部長クラスが参加する定例会が出勤日以外の場合も。基本的にテレコンで対応していますが、その日だけ出勤するということもあります。

――具体的に、ソニーにおける津田さんのタスクとは何でしょうか。

津田: 主に、進行中のプロジェクトや新規サービスのプランニングです。その他に、部署における突発的な要求に応じて、タスクを引き受けています。それを、先ほどお話しした週3日の中でやっています。

タスクを厳選して、得意な仕事にフォーカスする

――かなりの仕事量ですよね。火・水・木以外でも、ソニーの仕事をやることにはなりませんか。

津田: 実質、そういうことはあります。企画書や資料の作成などは、週3日で終わらないことも。もともと週5日でやっていたことを、週3日でこなさなきゃいけないのですから、当たり前です。それに、僕自身ができたとしても、さきほどの役員との打ち合わせのように、他の人は週5日で動いているのだから、合わせなくてはいけない部分も出てきます。
 人によっては、「3日以上働いているじゃないか」と文句を言う人もいるんでしょうけど、僕が広告代理店で働いていた頃は、徹夜で企画書を作るというようなことは日常茶飯事だったので、「企画書は寝ないで作るもの」と思っているので(笑)、そのこと自体はそこまで苦ではありませんね。
 ただ、上司が本当に良くしてくれて、定例会の運営などのいろいろなタスクを減らして、コンセプトメイキングや企画書作成など、できるかぎり僕が得意な仕事にフォーカスできるような采配をしてくれています。

――部署内は、どのようなタスク配分で動いていらっしゃるのですか。

津田: 例えば、企画開発の初期段階だと、ブレインストーミングで出たアイデアを収集して、僕が企画書に落とし込みます。それだけだと、ただのアイデアですから、その上でサービスを定義して、ユーザー体験を考えて、ビジネスとしての設計図を作っていく。
 これを別の部署や上長に持って行き、細々とした折衝をする作業は、ちゃんと関係者が膝を詰めて話すところじゃないですか。それは、どうしても限られた日数と遠隔地だと限界があるので、マネージャーとして上司が担当してくれています。「津田は、得意なコンセプトメイキングを、火・水・木と集中してどかんとやって、金~月は違うことやってリフレッシュして、またクリエイティブなことをやってくれ。プロジェクトのリードやファシリテーション的なところは、俺がやる」といってくれるところに助けられています。

バックナンバー