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生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る(ケヴィン・ケリー『テクニウム』)

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生命の進化の系譜は、ヒトから「テクニウム」へと移るのか?

 生命を1つの「進化する情報システム」と捉えたジョン・メイナード・スミスらの分類を持ち出すことで、本書は生命とテクニウムとを1つの軸で語ることに成功している。実体のある生命と、概念に過ぎないテクニウムという、一見関係の弱そうな両者が1つの系譜に繋がることは、とても刺激的な主張だった(目からうろこでした)。

 しかし、進化の評価軸を「情報」に求めることは、生命とテクニウムとを結ぶためのこじつけにはならないか。評価軸を別のものに変えたら、テクニウムが生命の延長とは言えなくなるのではないか。

 ここで、「進化」についての辞書の定義を見てみよう。

生物は不変のものではなく、長大な年月の間に次第に変化して現生の複雑で多様な生物が生じた、という考えに基づく歴史的変化の過程。
(三省堂大辞林)

生物のゲノムが何世代にもわたって変化し、その結果として表れる形質が選択を受けて別の種や系統に変化すること。
(生物学用語辞典)

 いずれも「生物の変化」がキーワードになっている。この変化が行われてきた方向を考えたとき、ジョン・メイナード・スミスらの仮説である「自己生成可能な情報システム」の発展的変化も、進化が示す方向性の少なくとも1つと言えるだろう。

 進化の方向として「自己生成可能な情報システム」の発達が含まれるなら、情報システム自身が遺伝子以上の適応能力・伝達能力を求めてテクニウムになった、という仮説も成り立ちそうだ。

 本書は、情報とは「常に」増大し、非物質化・複雑化する傾向にあるという。そして情報システムはやがて情報システムそのものとして存在するようになると予想している。

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テクニウムはどこへ向かうのか

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弦音 なるよ(ツルネ ナルヨ)

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