SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineブックレビュー

生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る(ケヴィン・ケリー『テクニウム』)

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 オーストラリアで、原始的な言語を用いる鳥類が発見されたそうだ。クリボウシオーストラリアマルハシと呼ばれる鳥で、高い社会性で知られ、音の組み合わせでエサやりや飛翔などの意図を伝えるという。英セクスター大とチューリヒ大の発見。人間以外ではイルカも言語を持つとされるけど、鳥も言葉を使うのね。

 

 テクノロジーの歴史における最初の特異点を「言語の発明」とみるのは、WIRED創刊編集長のケヴィン・ケリーだ。そればかりか氏は著書『テクニウム』(2014)で、言語の発明が「生命の進化」と「テクノロジーの自己増殖」とを結んだと述べている。

 

 本書によれば、テクノロジーの進歩の起源は、我々生命の進化や、さらにはビッグバンにまで遡る。そして染色体や細胞から微生物、ヒトへと続いてきた生命の系譜の、次なる進化のカタチとなるのが、テクノロジーの集合である「テクニウム」であるとする。

 テクニウムが生命の延長という仮説は、テクノロジーに留まらず生命の未来を占う上でも重要になる。本書の仮説について紹介したい。また本書はこの仮説を下敷きにして、テクノロジーの進化の原理と、「その先」の方向性をも示唆しており、これらについても紹介していく。

Summary Note

生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る(本書より)

  • 生命を「自己生成可能な情報システム」と捉えた場合、「単一の複製する分子」から「霊長類」まで8つの大きな遷移が見られる
  • 「テクニウム」もまた「自己生成可能な情報システム」として、言語の発明以来段階的に発展してきた
  • 遺伝子以上に早く適応・伝達が可能な言語は、生命の六界とテクニウムとの進化を繋ぎ、テクニウムにとっての最初の特異点となった

次のページ
言語の発明が結ぶ「生命の六界」と「テクニウム」(本書より)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
Biz/Zineブックレビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

弦音 なるよ(ツルネ ナルヨ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング