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生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る(ケヴィン・ケリー『テクニウム』)

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 米国『WIRED』誌の創刊編集長であり、テクノロジー界の思想をけん引するケヴィン・ケリー氏。NHK出版より、7月27日に刊行される著書『<インターネットの次に来るもの 未来を決める12の法則』の刊行にあわせて、来日講演が開催される。  本コラムは、氏の前著『テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?』(みずす書房)が、難解かつ高額なために、読むことを挫折してしまった方のために、サマリーを3回に分けてお届けする。第1回の今回は、「生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る」と題した内容をお届けする。  本コラムの筆者のブログ、「希望は天上にあり」から、筆者の許諾のもとに転載させていただいた。

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 オーストラリアで、原始的な言語を用いる鳥類が発見されたそうだ。クリボウシオーストラリアマルハシと呼ばれる鳥で、高い社会性で知られ、音の組み合わせでエサやりや飛翔などの意図を伝えるという。英セクスター大とチューリヒ大の発見。人間以外ではイルカも言語を持つとされるけど、鳥も言葉を使うのね。

 

 テクノロジーの歴史における最初の特異点を「言語の発明」とみるのは、WIRED創刊編集長のケヴィン・ケリーだ。そればかりか氏は著書『テクニウム』(2014)で、言語の発明が「生命の進化」と「テクノロジーの自己増殖」とを結んだと述べている。

 

 本書によれば、テクノロジーの進歩の起源は、我々生命の進化や、さらにはビッグバンにまで遡る。そして染色体や細胞から微生物、ヒトへと続いてきた生命の系譜の、次なる進化のカタチとなるのが、テクノロジーの集合である「テクニウム」であるとする。

 テクニウムが生命の延長という仮説は、テクノロジーに留まらず生命の未来を占う上でも重要になる。本書の仮説について紹介したい。また本書はこの仮説を下敷きにして、テクノロジーの進化の原理と、「その先」の方向性をも示唆しており、これらについても紹介していく。

Summary Note

生命の進化の系譜はヒトから「テクニウム」へと移る(本書より)

  • 生命を「自己生成可能な情報システム」と捉えた場合、「単一の複製する分子」から「霊長類」まで8つの大きな遷移が見られる
  • 「テクニウム」もまた「自己生成可能な情報システム」として、言語の発明以来段階的に発展してきた
  • 遺伝子以上に早く適応・伝達が可能な言語は、生命の六界とテクニウムとの進化を繋ぎ、テクニウムにとっての最初の特異点となった

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言語の発明が結ぶ「生命の六界」と「テクニウム」(本書より)

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弦音 なるよ(ツルネ ナルヨ)

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