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Design × Businessの羅針盤“Design In Tech Report”を読み解く(前編)

not design nor business:第2回

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 第1回では、デザイン思考が自己変革を続けていること、また、当初概念として日本に紹介された時とは、だいぶ姿かたちを変えてきている、ということを経営戦略の歴史・系譜なども引用しながら説明してきました。そして、第2回、第3回では、“Design In Tech Report”というレポートを紐解きつつ、design × business(デザインとビジネスの掛け合わせ)の未来を考える上で重要となる視座を幾つか紹介したいと思います。

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2015 年のベストプレゼンテーション“Design in Tech Report”

 “Design In Tech Report”は、ジョン・マエダ氏がSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト / 映画、音楽、インタラクティブを総合した世界最大級のクリエイティブの祭典)において、2015年から発表を始め、今年のレポートは2回目のレポートとなります。

 アメリカでは、2013年頃から、民泊プラットフォームのAirbnbや、ウェアラブルデバイスのJawbone、ニュースメディアのBuzzfeed、若者に爆発的な人気を持つSNSのSnapchatなど、デザイン関連のバックグランドを持つ創業者がいるベンチャー企業、 いわゆる“Designer-Led Startup” がユニコーン(評価額が$1bn = 約1,000億円を超えるベンチャー企業)化する事例が増えてきていました。

 こうした背景もあり、広義のデザインが、スタートアップ業界でどう重要性を高めていくかに関し、豊富なファクトと個別事例を、産業デザイン史の潮流の中に位置づけて構造的に提示するこのレポートは、ちょっとしたセンセーションを持って迎えられました(このレポートは、プレゼンテーション資料共有のプラットフォームサービス最大手SlideShareで2015年のベストプレゼンテーションにも選ばれています)。

 わずか50ページ弱のこのレポートに多数の要点がカバーされていますが、この稿では以下の3つを取り上げたいと思います。

  1. 人材流動化の新しい型:デザイナー出身の起業家
  2. 急増するデザインファームの買収
  3. デザインの第三の波:Computational Design

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佐々木 康裕(ササキ ヤスヒロ)

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