内発的動機で組織を動かす「権限委譲」、外部要因の変化に対応できる「仕組み」
報酬が多いと離職率が低い、不満が無い、というものでもない。報酬額が上がれば一時的にはモチベーションがあがるが、社員の内発的動機に訴え業務を主体的に進めていける状況をつくるには、「権限委譲」が欠かせない。現場でクライアントと社員自身の判断で“どこまで握れるか”が明確になっているかどうかなど、自らの持ち場で「責任と権限」があると判断できれば、社員当人は自主的に業務改善や商品改善を行うようになることが多い。
一方の外部要因については多様なケースが考えられるが、常にクライアントの要望や動向に目を配ることで競合他社の状況や市況は把握することができる。常に市場動向には気を遣いながら、何かしらの変化(クライアントとの取引の拡大・縮小、消滅など)に敏感でいられるようにするには、都度幅広く情報を収集する必要がある。常に対抗策を用意し、どのような状況になっても動けるようになるには、日頃の準備が大切になるのである。フェーズ[30]を越えた企業であれば、他社に対しての一定の競争力はあるはずであり、フェーズ[50]以降も商品の競争力に気を配る必要が常態的にあるということである。