LINK OF LIFE は、資生堂によるデザインの新たな試みとして、内外の科学者、研究者、デザイナー、アーティスト、企業や団体が互いの境界を飛び越え、つながり、今までにない発想や価値創造を共同でおこなうというもの。
クリエイティブディレクター 藤原大氏のコーチングのもと、異分野のクリエーターや企業がコラボレーションし、展覧会という形でその成果を公開している。
2回目となる今年のテーマは「エイジング」。「サクセスフルエイジング」という概念を核に据え、少子高齢化社会が現実のものとなった現在の状況をふまえ、未来における美しい生き方を考えるというテーマで、企業とアーチストのオープンなコラボレーション成果も発表されている。以下はその一部。
日立のAI研究員とアーティストのプロジェクト:共鳴する心と社会
人工知能関連研究に携わる研究員、より良い社会をめざす社会イノベーション事業に従事する社員らによる日立のチームと、アーティストの加藤彩、キャドセンターとの協働による作品。参加者がタブレット端末で行なう行為がモニター上に投影され、最終的には、参加者によるインタラクションを組み入れた絵が形成されていく。ゆっくりとしたスピードで変化し完成することがないこの絵は、社会全体を象徴している。
一方、参加者が質問に答えた後にタブレット画面に生まれる花の紋は、1人ひとりの心を象徴している。心はさまざまな人との繫がりで変化し、多くの心が繋がることで新しいアイデアや思いが生まれ、変化し、社会総意となっていく。
FCAJのプロジェクト:FUTOUR:未来に向けた旅
約30の企業をはじめ、省庁、大学、NPO、自治体からなるFCAJ(一般社団法人 Future Center Alliance JAPAN)は、「FUTOUR:未来に向けた旅」という作品を展示。
レオナルド・ダ・ヴィンチの発明精神、知恵と知の探索精神を継承したコンセプトをデザイン化したもの。FCAJの参加者へのエイジングに関するアンケートから抽出した、4つのクラスターの旅の言葉を言語連関分析をおこなうことでタイポグラフィ化し、さらに能楽師、安田登氏の舞の軌跡も図像化した。
雫のめぐり:ダイキン工業他
大小の雫の受け皿を展示。撥水性能を有するシートを貼ったポイで水をすくい皿にかけ、透明な玉とした留まり、一定量になるとその重さで落ちていく。ダイキンのフィルターの仕組みを可視化することで、人にとって必要不可欠な身体の「めぐり」を表現したもの。ダイキン工業のフィルター研究員のデザイナー、資生堂のマーケッターによる共同作品。
この他、全21作品が展示されている
開催概要
- LINK OF LIFE 2016 エイジングは未来だ 展
- 会場:資生堂銀座ビル 花椿ホール(東京都中央区銀座7-5-5)
- 2016年10月28日(金)−11月3日(木・祝)
- 各会場とも入場無料
- 主催:株式会社 資生堂
- 公式サイト