4月19日に行われた説明会では、東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 事業創造本部 副本部長 松崎哲士郎氏が「JR東日本スタートアッププログラム」の内容を紹介した。
ベンチャー企業や様々なアイデアを持つ人々から、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの アイデアを募り、ブラッシュアップを行い、有望な提案には、JR東日本のリソースの提供の他、賞金や要望に応じた出資の支援も検討するという。
「TICKET TO TOMORROW~未来のキップを、すべてのひとに。~」の元、下記のテーマのアイデアを募集する。
- 人・モノ・情報をタイムリーにマッチングするサービスの創出
- 出発地から目的地までをスムーズにつなぐ快適な移動の創造
- 新たな技術・アイディアを活用した未来に資する新ビジネスの創出
- 過ごしやすく、働きやすい社会・生活の実現
- 国内外の多様な人々が集い楽しむ場としての駅づくり
- 地域の雇用・移住・観光の促進
- 環境負荷の少ないエネルギーや安全で安定した食糧の供給
また説明会では、事業創造本部 地域活性化部門 課長の佐野 太氏が、これまでのJR東日本の取組の歴史を概観した。
「JRはこれまでもSuicaなどの電子マネー、エキナカなどの空間開発、自動販売機の開発から地域活性など様々な事業開発に取り組んできたが、 これからはより変化のスピードを高めなければならない。そのためにこれまでの自前主義を捨て、積極的に外部とつながりオープン イノベーションに取り組んでいきたい」(JR東日本 佐野 太氏)
その佐野氏が、応募者に語ったのは「駅を生活の基盤として捉える」という発想だ。例えばJR東日本が有する160の駅ビルには8500テナントがあり、スタッフ、店員、清掃などの雇用には難渋している。こうした人員不足を、ICタグや無人レジによる自動化で解決できないか。また、新幹線によって移動時間は短縮したものの、地方都市の場合、駅からの交通は乏しい。ライドシェアやカーシェアなどによってドア・トゥ・ドアの移動短縮を実現できないか。また駅自体をモバイルワークの場にすることで通勤の困難を解消する働き方の改革。他には、車中の交通広告に関連するスマートフォン利用、増大が期待されるインバウンドによる外国人向けのサービスなどである。 こうした、課題意識を参考にしてアイデアや事業提案を求めているという。
こうした社会課題に関するアイデアを、「インキュベーションコース」「アクセラレーションコース」に分けて募集するという。
2コースの違いは、「インキュベーションコース」がこれから起業し、今後アイデアの事業化をおこなうもので、「アクセラレーションコース」は 既に自社の製品・サービス、またはプロトタイプを有するものだという点だという。
両コースとも、スケジュールは上記となる。賞金として両コースとも最優秀提案は、100万円、優秀提案には10万円が提供される。優秀提案の絞込や数については未定だが「なるべく柔軟に検討する」という。 提供される支援内容は、JR東日本のノウハウや施設利用、コワーキングスペースの他、大宮駅西口のイベントスペースをテストマーケティングとして利用することなどが可能だという。
【JR東日本スタートアッププログラム】 ・詳細/申し込みはこちらから