なぜ今、「オープンイノベーション」なのか?
日本でも、オープンイノベーションに取り組む大企業がこの数年で急増した。ソリューションを提供するプレイヤーにおいても、eiicon以外に多数存在する。例えば、東京電鉄やCCCといった企業はアクセラレータープログラムを創設し、ベンチャー企業との共創を行っている。なぜ、ここ数年でオープンイノベーションに取り組むプレイヤーが増えているのだろうか。
オープンイノベーションへの注目は、日本企業の新規事業創出への危機感に強く結びついている。米国商務省国勢調査局や中国国家統計局のデータでは、日本企業の新規事業売上は産業全体の約6%なのに対して、米国企業や中国企業の新規事業売上は約12%と、日本の2倍の規模になっている。
また、「1990年以降に設立した企業の中で、時価総額1000億円以下から5000億円以上に拡大した企業」は、米国で595社存在するのに対し、日本にはたった5社しかいないという根拠データなども披露した。
これらのデータから読み解けるように、日本では新規事業創出やベンチャー企業の成長がうまくいっていない。社内のリソースに頼るばかりではなく、社外との連携を積極的に取り入れることで、新規事業の種を見つけていく「オープンイノベーション」の手法が注目を浴びている。
オープンイノベーションの認知や関心は高まっているものの、最初の一歩を踏み出せていない企業も多い。そんな企業の中でよく起きている勘違いとして挙げられるのが、「オープンイノベーションは大企業とベンチャー企業の提携である」という点だ。
オープンイノベーションは企業内部と外部のアイデアを組み合わせて、イノベーションを起こすための手法です。提携するのは、必ずしも大企業とベンチャー企業でなくてもいいんです。大企業同士や、大企業と大学との連携でも新しい価値が生まれるのであれば、使える手法です。