「都市と郊外をつなぐインフラ」も“機能不全”な状態に陥っている
本村:
都市で暮らす人々の「高齢化」によって、その都市の発展が抑制されていくと。
紺野:
日本では、都市だけではなく、郊外に暮らす人々の高齢化も起きていて、それが都市に影響を与えるわけです。郊外で暮らしながら、都心にある会社に通っていた団塊世代が退職すれば、定期を持たなくなる。そうすると、都心に足を運ぼうとする度にお金がかかるわけです。例えば通勤圏1時間の立川でも東京まで片道600円くらいかかる。週5日往復すれば6000円、年間30万円ほどになる。これは高齢者世帯には重たいですね。通勤していた頃と同じ頻度で都心に行くかというと、行かないでしょう。