「気配り残業」が多いニッポン。
小野:
御社のような労働集約型と創造型が混在するような組織で、全社員に公正に労働の質を測定するのは難しい問題ですね。私の研究では、成果としてのアウトプットの測定は、実際にやろうとすると公平な基準は未だ見出せていません。もしそれができるようになれば、労働時間短縮の解決策としても効果的な何かが見えてくると思います。結局、「成果=アウトプット」が見えないから、「労働投入量=インプット」で評価するということになり、それが長時間労働につながり、働きの質を下げてしまうのが現状ではないでしょうか?
薮崎:
実際、成果って現場ではなかなか一律には測定できないですね。営業等は売上げや案件数などで測定できますが、それ以外の仕事は定量化することが難しいです。たとえ労働集約型の働き方であったとしても、チームで動いていることも多い。欧米のように自分の仕事の範囲が明確化されていたら別ですが、日本ではジョブディスクリプションも決まっていないのでなんとなくシェアして協力し合うことがけっこうある。自分の仕事がおろそかでも他人の仕事を手伝うとか、日本だと普通にありますからね。