SOMPO、LIXIL、クックパッドが語った「大企業をピボットさせる方法」

yentaイベント「RIOT」レポート

アトラエが運営するビジネスマッチングアプリ「yenta」のチームが主催したイベント「RIOT」で、SOMPOホールディングス、LIXIL、クックパッドの社内イノベーターによるパネルディスカッションがおこなわれた。「大企業発イノベーション:大企業だからこそ出来る事業開発のリアル」で語られた内容を要約して紹介する。

[公開日]

[著] 京部康男 (Biz/Zine編集部)

[タグ] yenta クックパッド SOMPO LIXIL QUANTUM

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP写真(左より:クックパッド株式会社 国内事業開発部 住 朋享氏/株式会社LIXIL General Manager, Marketing Strategy Div. 兼 Head of Digital Transformation Dept.二瓶 拓穂氏/SOMPOホールディングス株式会社 チーフ・データサイエンティスト 中林紀彦氏/QUANTUM Global Inc.CEO 井上裕太氏)

大企業ではイノベーションは難しいというのが定説だったが、最近は外部との連携によるオープンイノベーションの試みが盛んに行われている。
新規事業や製品アイデア創出を目的にしたものが多いが、日本の場合、経営にインパクトを与える成果についてはまだ未知数といえるだろう。
だが、企業内イノベーターの存在が、大組織を少しづつ変えている事例もちらほら出始めているといえる。SOMPOホールディングス、LIXIL、クックパッドの3社に共通するのは、激変する環境を乗り切るために、変革リーダーを迎え入れたことだ。

アトラエが運営するビジネスマッチングアプリ「yenta」のチームが主催したイベント「RIOT」で、SOMPOホールディングス中林氏、LIXIL二瓶氏、クックパッド住(すみ)氏の3名のパネルディスカッションがおこなわれた。モデレータはQUANTUMの井上氏。

パネラーの3名は以前のキャリアを買われて2〜3年前に入社し、社内変革と事業創出の組織のリーダーを担っている。

各氏が語った内容からは、以下のような大企業での変革のいくつかのポイントがうかがえる。

  • 経営資源をフル活用、「資金・ヒト」だけでなく「社内データ」が重要アセット
  • 経営体制激変を乗り切り、経営層の信任を武器とする
  • ほんの僅かな変化から大きな変革を生み出す

かいつまんで紹介しよう。

データを大企業のアセットとして考えよ

SOMPOホールディングスの中林紀彦氏。日本IBM、オプト・ホールディングスを経て、現在は同社のデジタル戦略部のチーフ・データサイエンティストを勤めている。
損保業界は今、保険版フィンテックともいえるインシュアテック(InsurTech)と呼ばれる大きな波が押し寄せている。特に自動車保険の分野では、自動運転やテレマティクスによる走行データの分析に基づくサービスが生まれている。また「車離れ」といわれる若者をターゲットにしたスマートフォン・アプリにも力を入れている。

SOMPOグループとしての膨大なビッグデータをアセットとして活用できることが、最大の武器だと中林氏は言う。もちろん顧客のデータは同意無く利用することはできないが、8万人いるグループの社員のデータを活用するだけでも、発見に結びつく。

SOMPOホールディングス資料より

SOMPOグループの損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の社員3000人にウェアラブル端末のFitbitを装着してもらい、収集したデータから健康増進に関するアルゴリズムを開発したり、自動車保険関連のトラックなどの車載データを分析し、サービスに活かすことなどを追求しています。(中林氏)

クックパッドの住氏も、会社が保有するデータの重要性を強調する。これまでクックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」という企業理念のもと、料理レシピ投稿・検索サービスを運営してきた。最近では、料理の動画サイトなどの競合も立ちはだかってきている。これまでおこなってきたレシピデータやユーザーの検索ログの活用だけでなく、料理の写真をAIや機械学習を用いて分析する試みを、経産省などとおこなった。

これまで社内でしか使われてこなかったクックパッドのデータを、ビジデブ(事業開発者)や研究開発の人に使ってもらう。例えばスマートキッチンなどにつながるコンセプトモデルの研究/開発などを通じながら可能性を模索して、将来的にクックパッドにしか作れないAIの価値を作ろうとしています。(住氏)

バックナンバー