GVA TECHは、2026年2月5日に「法務AI研究所」を設立したと発表した。同社は法務業務のオートメーションサービス「OLGA」などを展開してきたが、今回の設立を通じて、特に企業の法務領域におけるAI実装の実践知見の蓄積と共有を目指す。

設立の背景には、日本企業の法務部門における知見や判断の属人化が長年の課題となっている点がある。組織内に十分にノウハウが蓄積されず、新規事業や先端技術への挑戦時に「前例がない」「リスクが明確でない」といった理由から意思決定の停滞を招いているとGVA TECHは指摘する。これまでの法務判断は個人の経験や勘に依存する場面が多く、十分な組織知としての展開が図られてこなかった。生成AIの技術進化により、法務AIを実務へ実装する段階に社会が移った点にも着目した。
「法務AI研究所」では、AI技術の実証と実践的な研究を継続的に進めていく。AI専門家との連携を通じて、法務業務で実際に使えるAIと、現時点では運用が難しい技術を明確に切り分ける。さらに、実務におけるAI実装の成否を検証し、活用が可能な再現性ある事例や失敗事例も含めて体系化・共有する方針だ。これらの情報は社内だけにとどめず、広く実装事例や失敗事例として発信し、経営層・現場を問わず法務AIを「現場で使い切る」ための議論とノウハウ提供を強化するという。
代表の山本俊は、「実務に実装されない思想には意味がない。法務AIは語るものではなく、使われるもの」と述べており、理論や理想に留めず、実際の法務業務への導入と効果検証を重視する方針を明らかにした。
また、GVA TECHが主催したセミナー参加者へ実施したアンケートでは、法務現場の課題として「生成AI活用」や「法務ナレッジの共有」が特に多く挙げられた。汎用型生成AI(Gemini、ChatGPTなど)の法務分野での活用への関心も高いことが判明している。
今後は、2月9日に生成AI活用セミナー「生成AIで変わるリーガルリサーチ」を開催し、法務分野における法令調査へのAIの活用術も具体的に紹介する見通しとなっている。
GVA TECHは今後も、リーガルテック分野でのAI活用推進と、組織的な法務知識の蓄積、実践力の強化に取り組む。
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