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不確実な未来の「偶発性」を“Rock”する

社内で集まるアイディアは既に誰かが売っている──新規事業の「アイディア条件」とは?

第3回

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 筆者の娘(大学生)が現在就職先を考える時期に来ていて、その候補の一つにベンチャー企業がごく普通に入っていた。やりたいことをやらせてもらえない(かもしれない)大企業よりも、自己実現しやすいベンチャーの方が魅力的なようだ。自身が実現したい世界を作るために一番ふさわしい場所(会社)はどこなのか、そしてそれは大企業ではないのかもしれないという流れは娘のみならず世の中に確実に芽生えているように思う。では、大企業ならではの魅力とは何だろう? もしかするとその答えの一つが、自身の想いを大企業の豊富なアセットを利用して叶えられるイントレプレナープラットフォームなのではないかと考え始めている。
 さて、今回は前回の続きとして、社内新規事業アイディア提案制度というスタイルでスタートした仕組みをどのような流れでイントレプレナープラットフォームへと変えていったのか、をお伝えしたいと思う。

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社内から集まる “極東の片隅のアイディア”は「既に作られ売られている」

 時間を少し巻き戻すが、「Value Amplifier」という社内提案の仕組みを始めて10ヶ月目、筆者はCES会場にいた。CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)とは毎年1月ネバダ州ラスベガスにおいて、4,000社を超える出展企業と18万人以上の来場者を集める全米最大規模の家電見本市である。その会場の一つ「EurekaPark」にはスタートアップが600社ほど集結してミニマムなブースを永遠に続きそうな勢いで並べ立てており、その熱気に圧倒され、さらに各ブースの製品やサービスに愕然としていた。(各数値は2017年度から引用)

EurekaPark

 社内から集まったアイディアの多くが、既に作られ並んでいる。もちろん我々が並べたわけではなく世界の見知らぬ誰かが、である。

 いや、“極東の片隅で考えつくような代物”は、世界レベルで見れば既に相当数の人が思い付き、そのうちの数人は既に作って売っているであろうことは分かっていたはずなのだ。しかし実際目の当たりにしてしまうとかなりの衝撃だった。しかも多くのブースには「World’s first」と書いてあり、社内で育てるアイディアが「ちょっと面白い」程度では全く勝負にならないことを指し示していた。最低限「世界初」もしくは「ぶっちぎり世界一」と言えない限り見向きもされない。「あー、あれに似たよくあるパターンね」と思われれば見学者からはスルーされ、ブースに人が立ち止まらないのだから。さらに言えば、たとえ世界初だったとしても、見学者が「なにこれすごい」と思い、写真を撮り、SNSにアップロードするまでに至るインパクトがあってようやくスタートラインなのだ。

 「自分たちのレベルはまだまだ低すぎる、これでは戦えない」、そんな想いとともに打ちのめされて帰国したこの原体験は今でもValue Amplifierの活動に深く影響を与えている。

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最初の全社アンケートで“誰にも刺さっていない”と判明

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この記事の著者

畑 紀行(ハタ トシユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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