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誰もがイノベーターにならなくていい──違和感を声に出し、最初のフォロワーになる偉業

Biz/Zine Day 2017 Premium Vol.1

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イノベーティブな企業ほど、イノベーションを目指さない──先に“個人の強い思い”、後で“他人が評価する”

イノベーションを起こそうとして、イノベーションを起こした人はいない。これは、私が100人以上のビジネスリーダーにインタビューして得た驚くべき発見でもありました。

 コーン・フェリー・ヘイグループが調査協力を行っている『Fortune』誌のランキング企画「Fortune 500」の中で順位付けられる「最もイノベーティブな企業500」の上位には、アップルやグーグルなど「世界を変えた商品、サービスを生んだ」と知られる企業が並ぶ。このランキングを統計分析した結果、「上位企業ほどアニュアルレポートに『イノベーション』という用語の登場頻度が少ない」という興味深い結果が出たという。イノベーティブな企業ほど、イノベーションを目指していないという構造的矛盾。代わりに登場するのは、「現状のこういう課題を解決したい」という具体的な目標だった。

電話を発明したグラハム・ベルの原動力は、ろうあ者だった母親が少しでも豊かなコミュニケーションを取れるようにという強い思いだった。非常に個人的な課題の解決が、結果的にイノベーションとして他者から評価される。『こんなことができたら、今よりもずっと素敵な世界になる』と夢中になっている当人にとっては、自分がイノベーターであるかどうかは重要ではない。イノベーションは後からついてくる評価でしかないのです。

 イノベーションの種は、個人の強い思いから生まれる。それは過去の延長にある“改善”という思考ではなく、「未来はこうあるべきだ」という“バックキャスト思考”によるものだ。

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