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誰もがイノベーターにならなくていい──違和感を声に出し、最初のフォロワーになる偉業

Biz/Zine Day 2017 Premium Vol.1

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ビートルズやワーグナーの名曲は、構造分析である「アナリーゼ」では生まれない

 講演の冒頭、山口氏が「なぜ『イノベーションの方法論』は不毛なのか?」という、いささか刺激的な講演副題を自ら取り上げた。

昨今、経営戦略としてイノベーションを求める声はひろがり、いかにしてイノベーティブな組織変革ができるのか、多くの企業の会議室で経営陣が議論を重ねています。しかし、議論の回数とは裏腹にその成果はというとなかなか聞こえてこないのが現状です。(山口氏)

 書店には「イノベーション」を書名に冠した新刊がズラリと並ぶ。山口氏自身が「知的興奮を得ながら読んだ」という『イノベーションのジレンマ』が日本で出版されたのは2001年のこと。つまり、17年経ってなお、“イノベーションの方法論”は決定的なソリューションに至っていないということを指摘する。

 その原因を象徴するのは、アップルの創業者、スティーブ・ジョブズが新聞記者から「あなたはいかにしてイノベーションを体系化したのか?」と問われた時に返した回答だという。ジョブズの答えはこうだった。

イノベーションを体系化なんてしてはダメだ。そんなことをしたら、イノベーションは起きるわけないだろう。(スティーブ・ジョブズ)

 学生時代は作曲家を目指していた山口氏は腑に落ちるところがあった。すなわち、事象の体系化とは、その事象のプロセスがどんな要素から成り立ち、構造分析することによって成し得ることであり、作曲の基礎研究においても優れた名曲の構造分析(「アナリーゼ」と呼ばれる)を行うことを必須とされる。

 しかしながら、正確なアナリーゼができたからとって、画期的な名曲が新たに生まれるとは限らない。むしろ、ワーグナー然り、ポール・マッカートニー然り、時代を超えて愛される名曲を作るクリエイターの中には、作曲の方法論を学ぶことなく、創作に打ち込んできた事例は少なくない。彼らはいかにイノベーティブであり得たのか。山口氏によると「方法論を外に求めず、自分の内なる音楽に耳を澄ませられる姿勢」がその才能を開花させたのだという。

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イノベーティブな企業ほど、イノベーションを目指さない──先に“個人の強い思い”、後で“他人が評価する”

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