「万年筆の競合はネクタイやお酒」という間接競合の発見が、市場創造につながる
荻野:では最後に、市場創造についてうかがいます。日本の企業はブランド広告が得意な反面、市場創造が苦手という印象があります。これはなぜだと思われますか?
音部:直接競合だけを見て、市場と考えているからかもしれませんね。たとえば万年筆の80%の売り上げはギフト用途です。つまり筆記用具市場ではなく、ギフト市場。父の日と考えるならば、ネクタイやお酒は間接競合になるんです。製品カテゴリではなく間接競合が市場を形成するという物の見方がないと、気づかないのかもしれません。