民主国家であるが故の、日本の意思決定速度の遅さ
セッションは、モデレーターの辻庸介氏から小泉進次郎氏へのこんな投げかけから始まった。
速いスピードでグローバリゼーションが進む中で、政治や経済、スポーツ等、各業界が分断された状態で物事を進めるのではなく、みんなが一体となって日本の課題、世界の課題を解決していかないといけません。そこでNEST2018では様々な方をお呼びしているのですが、進次郎さんが世界の中の日本というものを考えた時に、一番気になっていることは何ですか?(辻氏)
小泉氏はそれに対し、日本の意思決定速度の遅さが気になっていると答える。おそらく小泉氏の同世代である金正恩氏を非常に注目しており、その金正恩氏が世界の地図を動かしていることや、中国で3月に憲法改正をし、あっという間に習近平氏の任期を撤廃したという事実を見るにつけ、日本の遅さに危機感を覚えると語る。
ロシア、中国、北朝鮮と、日本の周りの国々が非民主的になるなかで、意思決定の速度というのは民主国家の弱さと非民主国家の強さだと間違いなく言えます。このスピード感に関して、日本は考えていかねばならないと思っています(小泉氏)
小泉氏は、自由と民主というものは一般的に親和性があると認識されているが、自由と民主は違うものだと指摘する。自由とは自分のことを自分で決めるというものである。一方、民主はみんなのことをみんなで決めることを指す。みんながやりたいことが、自分がやりたいことと一致しないこともあるため、自由と民主は時に衝突する。1億2000万を超える人口を抱える日本で、一人一人の自由と、みんなで決めていくという民主的なプロセスをどう方向づけていくか。そこを政治家が語っていかねばならないと話した。
日本は今後、人口減少、高齢化を迎えます。そういった中で一人一人が自由と民主の価値をもう一度自分の中で落とし込んでもらい、落とし込まれたら民主国家で最低限やってもらいたい『投票に行く』ということをしてほしいと思っています。(小泉氏)