「KERNEL HONGO」は、AI技術者や研究者などを起業家として育成する、AI特化型インキュベーション施設。公募で選ばれた対象メンバーにコミュニティを提供し、企業や研究機関などとの共同実証実験や、多様な交流の機会を通して社会にインパクトを与えるイノベーションを起こす人材に成長する場を目指すという。
8月8日の事業説明会で登壇したディープコア代表取締役社長の仁木勝雅氏は「AIの技術者と産業界の専門家をつなぎ合わせて新しい産業を生み出したいと思っています。AI特化型のインキュベーターであり、ベンチャーキャピタルであるディープコアは、技術者たちを起業家としてスタートアップさせていくことを追求していきます」とあいさつした。
次に登壇したディープコア技術顧問で東京大学特任准教授の松尾豊氏は、世界の時価総額トップ10位の企業は今後10年から20年後にがらっと変わって、ディープラーニングをベースにした世界的な企業が何社も入るだろう、と予想した。また、松尾氏はそのような企業を日本から輩出したいと意気込んだ。
また、松尾氏は「ディープラーニングの現状は、インターネットで例えると1998年当時と非常に似ていると思います。その頃はHTMLを記述でき、サーバーを立てられる人が偉かったし、ウェブページ制作は1ページ100万円程度だった。そこにいち早く取り組んだ人の中から新しい時代を切り拓く人材が出てきた。ディープラーニングも同じだと思っていて、大きなビジネスはこれから生まれてくる状態です。それを生み出せるかどうかがカギだと思っています。そこに何らかのお手伝いができたらと思っています」と述べた。
最後にディープコアCFOの雨宮かすみ氏は「ディープコアは、コミュニティの構築運営から投資まで一括で行っていきます。特に、起業前からサポートしていきます。シリコンバレーやモントリオールのように、本郷をAI系のスタートアップが集まる、Tech系の聖地にしたいと考えています」とKERNEL HONGOの展開について語った。
今後、ディープコアはKERNEL HONGOから、世界に通用する破壊的イノベーションを起こすことを目指すという。