2018年発表のハイプ・サイクルでは、AIは「過度な期待」のピーク期の中でも、幻滅期の直前に位置付けられており、2019年以降幻滅期に入ると予想している。幻滅期とは、「これからが本番」という時期であり、企業がAIをより冷静に捉え、これまで以上に戦略的に推進する必要が出てきていることを意味している。
ガートナーによると、企業はAIのリアリティを適切に捉え、短期的な改善を目指す活用から、中長期的で革新的なインパクトの創出までを視野に入れることが重要だという。
ガートナーは、ユーザー企業がAIを推進する際には、「改善レベル」と「戦略レベル」の2つのステージがあるとしている。一般企業でのAI推進の多くは、現場による改善レベルにとどまっている。今後、AIがさらに重要なものとなることに鑑み、このステージを戦略レベルへと引き上げる必要があるとする。
戦略レベルとは、企業が中長期の戦略的な取り組みとしてAIを推進することを意味する。戦略であるため、そのリーダーは経営者(CEO、CIO、CDO、CFOなど)となる。この場合は、AIだけでなく、クラウド、IoT、ブロックチェーンといったテクノロジや考え方を総合的に駆使し、より大きなビジネス・インパクトを狙うことになるという。よって、AIはその取り組みの中に吸収される可能性があるが、それでもAIは1つの大きな柱となるとしている。