“デジタル・チェンジ・エージェント”とは何か──部門横断でDXを成功に導く、デジタル時代の変革者

第1回

[公開日]

[著] 根岸 慶

[タグ] デザイン思考 組織文化 組織変革 DX デジタル・トランスフォーメーション

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進化するデジタライゼーション・アプローチとしての「チェンジ・エージェント」とは

 筆者が日本法人の代表を務めるタイガースパイクは、人に寄り添うデジタル・プロダクトを開発するグローバル企業です。デザイン思考に基づく洗練された体験設計アプローチと最先端のモバイルテクノロジー、独自の合意形成および文化醸成ノウハウを組み合わせて、本物のデジタル・プロダクトを提供できるプロフェッショナル集団として活動しています。2003年にシドニーでスタートし、東京オフィスは2014年に開設。2019年2月現在、世界10拠点で事業展開しています。

 2016年10月に開催した弊社セミナーでは、筆者が登壇し「デザイン思考」をテーマにプレゼンテーションを行いました。セミナー前日、たまたま来日していた当社CEOにそのテーマを説明したところ「なんでそんな古めかしいテーマを…」と不満げでした。当日会場を埋め尽くした100名以上のスーツ着用の聴衆に対して、筆者は以下のように投げかけました。

デザイン思考を実際に試したことがある人いますか?

 その質問にたった1名しか手を挙げなかった光景を見て、当社CEOは「あ、日本は『イマココ』なんだと思った」と言います。

 当社CEOのコメントにあるように、当社の拠点が集中する欧米と、当社で唯一の非英語圏の拠点である日本との間には、どうやらデジタル領域の取り組みにおいて“数年の時差”が存在するようです。

 情報という点でも、UberやAirbnbをはじめとして、欧米、特に米西海岸の著名な新興ビジネスに関する情報は日本でも溢れていますが、同じ欧米でも、アナログ中心の伝統的企業やB2B中心の企業、政府や行政団体におけるデジタライゼーションに関する情報は、実はまだあまり日本に入ってきていません。

 当社は幸いなことにそうした組織をクライアントとしているため、彼らがどのようにデジタライゼーションに立ち向かっているかを、自社の生身の情報として共有しており、前述の組織と日本の組織との“時差”を日々体感することができています。

 では、2019年に日本のデジタル領域の中心となるようなキーワードは何でしょうか?

 筆者はそれを、2016年頃から当社の日本以外の拠点で強く謳われ始めたテーマである「チェンジ・エージェント」を更にデジタルに特化させた、「デジタル・チェンジ・エージェント」であると見ています。

 では、「デジタル・チェンジ・エージェント」とは何か? 次ページ以降、具体的に解説していきます。

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