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「デジタル・チェンジ・エージェント」とは

なぜ「デザイン思考」がDX推進の鍵なのか──デジタル・チェンジ・エージェントによる経営変革

第5回(最終回)

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 前回まで、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現するための方法について述べてきました。簡単にお伝えすると次の3点になります。「1.DXの主戦場は、早晩CX領域に移行する」、「2.CX向上には、カルチャー変革とデザイン思考の両輪が重要」、「3.カルチャー変革に必要な要素は『心理的安全性』と『共創』」という3点です。  最終回の今回は、DXの文脈でデザイン思考を取り上げたいと思います。具体的には、次の3つの観点から、”デザイン思考の現在地”についてお伝えしたいと思います。1.社内に定着させるべき思考様式としてのデザイン思考、2.既存事業・サービスにおけるデザイン思考、3.新規事業・サービスにおけるデザイン思考です。では、詳しくみていきましょう。

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ビジネスパーソンにそれほど認知が進まない「デザイン思考」

 デザイン思考に関する調査で、昨年、話題になったものがあります。2018年11月にvivivit社が実施したデザイン思考に関する調査では、「デザイン思考を説明できる」と答えたビジネスパーソンは「5%」に留まっています。ビズジンの読者に多い、大手企業の経営企画や人事担当者ではその比率が上がるものの「9%」に留まっています。デザイン思考自体、まだまだ認知が進んでいない状況が明らかになりました。

タイトル図版出典:Biz/Zine『ビビビット、企業の「デザイン経営」「デザイン思考」への意識調査の結果を発表』より

 筆者も含めデザイナーではない多くのビジネス層に、「デザイン思考とは何か」をシンプルに説明すると、以下のようになります。

  1. ユーザーにメチャクチャ寄り添いまくる。なりきる
  2. 解決すべき機会領域を発見・深掘りする
  3. 解決策をいっぱい出して、組み合わせたり削ったりしながら形作る
  4. プロトタイプで試しながら進化させる

 一般のビジネスマンにとって難解なデザインという言葉を排して説明すると「なんだ、顧客志向のこと?それなら前からやってるよ」と感じられると思います。実際、考え方の大枠や方向性はそんなに変わらないのですが、大きく異なるのは、ニーズ・ソリューション双方を深堀りすることに対するこだわりの強さだと思います。

 この「こだわり」をもう少し具体的に言うと、

  1. 行動も気持ちもユーザーに寄り添いきることで本当の機会領域を理解する姿勢
  2. 安易な解決策に飛びつかずに、アイデアを出し切ってから機会領域やビジネス要件との整合を取っていく姿勢
  3. 一度考え抜いたアイデアに固執せずにユーザーの批判に晒しながら進化させていく姿勢

といった姿勢です。これらのこだわりの姿勢により最終的なアウトプットの違いをもたらすところが、従来のいわゆる「顧客志向アプローチ」とは異なってくると思います。

 では、まだまだ日本企業への浸透がしきれない、「デザイン思考の現在地」をみていきましょう。

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この記事の著者

根岸 慶(ネギシ ケイ)

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