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イノベーションはデジタルプラットフォームで管理できるのか──可視化・言語化によるアイデア創出の可能性

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 イノベーションプロセス支援プラットフォームを提供する日本アイデアスケールの主催で3月26日、「みんなで取り組む効果的なイノベーションの実践」イベントが開催された。日本IBM/エンゲージメント・ファースト所属のコラボレーション・エナジャイザー八木橋 パチ 昌也氏と01Booster CEO鈴木規文氏によるトーク、リバネスCEO丸幸弘氏と富士通でオープンイノベーションを手がける鈴木智裕氏によるトークの模様を中心にお伝えする。

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成熟した大企業を無理やりエコシステムの頂点に置く必然性は既にない

 ソーシャルコラボレーションを推進する八木橋氏と企業間イノベーションを支援する鈴木氏の対談のお題は「大企業とパートナーシップ」だった。冒頭から「大企業から見ればスタートアップはこだわりの強い偏執狂、スタートアップは大企業を担当者によって言うことがコロコロ変わる多重人格者と思っていてお互いが理解できない」ゆえ「本当の意味で手を組む意味合いが見えるまで、両者が手を組む必要性はない」というIBMの八木橋氏の否定的な発言から始まってしまった。

 01Boosterの鈴木氏も、企業の存続のためには外部とのパートナーシップが必要といわれるが「ブロックバスターはレンタルビデオで大成功したが今はネットフリックスの時代。約30年で企業が成熟し、衰退していって役割を終える。それでいいのではないか。世界的に株式会社の利益創出率はどんどん下がっている。それは何を示しているのか」から考えるべきではないかと語った。

 八木橋氏によると、欧米では株主に対する経済的利益だけでなく、地域社会や環境への貢献を重視するベネフィット・コーポレーションという企業形態も生まれてきている。

株主に寄りすぎた企業の形を無理に残すよりも、転生して違う形になる方が正しいと思う(八木橋氏)

 これほどの価値観の転換を迫られていると気づかせてくれるのが良いパートナーシップということになるが、大企業が外部組織と対等につながるのは非常に難しい。その例として、いろいろなプレーヤーが相互に依存しながら協働して事業を発展させていくビジネスエコシステムは全体としては決まった中心などないものなのに、「大企業は常に自社が中心にいるエコシステムを描こうとする。それではただのピラミッド構造と同じ」と八木橋氏は指摘した。

 その構造の頂点に立っていると「周りが何かしてくれると期待しすぎる。スタートアップを下請け同様に扱ってしまうのはまさにその現象」と鈴木氏。このようなマインドセットを変えることをパートナーは触発してくれるかもしれないが、結局は内省が必要で、内発的な気づきを得るためには「自分の価値観と違う人と対等に対話できること」(鈴木氏)、「自分のやり方を確立している一方で、違う意見に価値を見出せるかどうか」(八木橋氏)にかかっているということだ。

八木橋 パチ 昌也八木橋パチ昌也氏

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