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MaaSで捉える、日本の都市・社会

MaaSが浸透した“その先”を見据えて、バックキャストでビジネスのチャンスを見極めるには?

ゲスト:MaaS Tech Japan 代表取締役 日高洋祐氏 Vol.3

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MaaSの“その先”からバックキャストして思考する──「移動の負荷」が最小になった時に生まれる新しい価値

──日本はMaaSを実践できる社会的環境があり、恩恵を受けられる可能が高いのに、なかなか実現できていない。その原因はどこにあるのでしょうか。

MaaS Tech Japan 代表取締役 日高洋祐氏(以下、敬称略):繰り返すようですが、まずは、MaaSの本質を理解することだと思います。自動車業界や交通だけのサービスとして見るよりも新しい社会インフラが発生すると思ったほうがよいかと思います。

 インフラと聞いて思い出すのが、「インターネット」でしょう。インターネットが登場した時に、先進的な人以外には「そんなものが役に立つのか」といわれていました。実際、登場した当時は「電話や手紙のように情報のやり取りをする道具」であり、通信回線そのものが業界の主役で、通信量に応じてお金がかかっていました。たとえば映画1本落とすだけでも数千円かかっていたわけです。

 しかし、技術が進化するに従い、今や通信回線はあって当たり前の存在です。データ量を気にしながら使っていた時代はあっという間に過ぎ去り、定額制が普通になりました。多少まだ従量課金で差はありますが、どんなに使っても通信費はさほど変わらず、インターネットを介して提供されるサービスそのものの価値が問われるのは明らかです。

 同じようにMaaSも進化するに従い、サブスクリプションが当たり前となるでしょう。どんなに利用しても交通費がさほど変わらなくなったら、どんな利用のされ方が生まれてくるか、ぜひ想像してみてほしいのです。コストが変わらないなら時間は多少かかっても移動したい人が増えるかもしれません。たとえば昼休みは自宅で過ごすために戻るという人も増えるかもしれないのです。

──インターネットで情報格差がなくなったといわれていますが、MaaSによって地理的、物理的な格差も小さくなる可能性がありますね。

日高:何をするにも障壁だった「移動のコスト」の影響が小さくなった時、人はどのように動くのか、そして動いた先で何をするのかを想像できるとよいと思います。

 かつてインターネットはテキストや写真、音楽、映画とサービスを広げ、人と人をつなげてSNSが登場し、教育や金融と結びついて新たな価値を生み出そうとしています。

 その流れるものがデータではなく、人になった時に何が起きるのか。移動した先で何をするのか。私自身はまだ明確な答えを導き出せていませんが、それぞれの業界で何が起きるのか考えると、単に移動の話だけではないことがおわかりいただけるでしょう。

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