フォースタートアップス志水氏が語る日本の成長戦略──親が子どもに挑戦することの大切さを伝えられる国へ

ゲスト:フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長CEO 志水 雄一郎氏【後編】

 今回のゲストは、新卒で入社したインテリジェンス(現パーソルキャリア)で転職サイト「DODA」、40代でウィルグループ傘下の成長産業セクターに特化したタレントエージェンシー「NET jinzai bank」事業を立ち上げ、後にカーブアウト・MBOした志水雄一郎さん(フォースタートアップス株式会社の代表取締役社長CEO)です。新卒で入った会社での挫折と起業のストーリーを伺った前編に続き、後編では大企業のビジネスパーソンへのアドバイス、志水さんが実現したい日本の社会のあり方について伺いました。

[公開日]

[語り手] 志水 雄一郎 [聞] 栗原 茂(Biz/Zine編集部) [取材・構成] やつづかえり [写] 和久田 知博

[タグ] スタートアップ キャリア オープン・イノベーション カーブアウト

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“優秀な若手社員が辞めてしまう”大企業がすべきこと

──いま、大企業の優秀な若手社員がスタートアップに転職していくという事例が増えているように思います。彼らはどんな理由で転職していると思われますか?

フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長CEO 志水 雄一郎氏(以下、敬称略)理由はいくつもあるでしょう。世界的にはGAFA(Google, Apple, Facebook,Amazon)やUber、Airbnbのようなテクノロジーマーケットにいくのが圧倒的なブライトキャリアです。企業価値が高いし、海外だと平均年収も高い。西海岸は、物価の違いもあるとはいえ、新卒初任給が1300万円というところもある。それに、IPOやバイアウトによる株式報酬を得られれば、年収の数十から数百倍を受け取ることもあります。日本人だって、そういう状況を理解したらそっちにいきますよね。

──そうすると、優秀な若者がいわゆる“オールドエコノミー”の大企業にいるのはなぜなのか? という話になりますよね。

志水:知らないからですよね。それと、日本ではそういう成長産業に人が集中するというトレンドがまだ起きていないからでしょう。世界では、“オールドエコノミー”と呼ばれる業界の大企業に優秀な人はいかないですよね。世界から見ると、日本はすごく変わったマーケットなんです。

 私たちは日本語で学んでいるから、英語圏や中国語圏のことを正しく理解していない。それは大学教育にも責任があると思います。人が働いてお金を稼いで生活するという方程式を知らず、世界の中でどう競争力を持つかといったことを考えずに社会に出ることになります。ゼミの先生やサークルの先輩や親に聞いたところで、そういうことはわからないままなんです。

──逆に、大企業はどうしたら良いのでしょう。「優秀な人が辞めていく。どうしたものか」みたいなお悩みはとてもよく聞くのですが。

志水:難しいですよね。会社によって、あまり外と関わらせないという戦略を採る場合もあります。成長産業に触れると「隣の芝生は青い」という状態になって流出してしまうので、自社のコミュニティに囲い込むんですね。

 でも私は、リスクはあるかもしれないけれど、「世界はこうなっていて、人はこうやって生きているんだ」ということを情報開示するのがすごく大事だと思うんです。きちんと知らせた上で、「自分たちはこうする」ということを打ち手として組み合わせ、企業戦略や人事戦略として成り立たせていくべきではないでしょうか。

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