この実験では、ドローンやレーザースキャナーで取得した大容量の点群データを第5世代移動通信方式(以下5G)を通じて、「ドコモオープンイノベーションクラウド™️」上に収集し、データの処理を行うことによって、サイバー空間上に現実世界の空間を再現する。VR・ARを活用することで、実寸かつ現実と同様の色や質感を立体的に再現し、遠隔地にいても現場にいるかのような環境を実現するという。
測量技師などは、現場に行かなくても再現されたサイバー空間上でデジタルツインを活用して何度でも調査・測量を行うことができるようになり、移動時間や再測量といった業務稼働を大幅に削減することが可能となる。デジタルツインを活用することにより、これまで限定的であった現場のデータが飛躍的に増え、遠隔からの現場指揮や未来予測などにも活用していくことが可能となり、建築・土木業界の大幅な業務効率化が期待できるという。
今回、シンメトリーが開発した点群データを効率的に処理する画像処理エンジン、HPの高性能ワークステーション・高解像度ヘッドマウントディスプレイ、さらに高速・大容量、低遅延、多数の端末との接続を特長とするドコモの5Gを組み合わせることで、現実世界をサイバー空間に再現し、活用することが可能となる。
また、将来的には電気・ガス・上下水道などのエネルギーインフラの流れや、人の動き、電車・バスなどの交通インフラなどのさまざまな情報も付加するという。それによって、サイバー空間上で事故予測・故障予測といったシミュレーションを行うなど、現実空間以上の価値を持たせることで、革新的な働き方の実現を検討していくとしている。