スタートバーンによれば、ホワイトペーパー公開の目的は、社会実装と公益性を重視したABNの設計とガバナンスにより、アート業界が長年築いてきた信用や価値形成のプロセスを損なうことなく、全ての人へ流通・評価のためのインフラを提供するためで、その詳細を公開し理解を広め利用者を募ることにあるとしている。
今回公開するホワイトペーパーには、技術的な内容だけでなく、ABNがアート業界全体にとって持続可能かつ必要不可欠なインフラとなるための、ガバナンスのあり方やシステムの更新性に関する情報も記載。またABNはその公共性を重視するため、近日中に設立されるABN協議会が運用を行う予定。
ホワイトペーパー公開後は、パートナー企業から順次テスト利用開始するAPIの公開、協議会準備メンバーの募集開始を経て2020年初頭のメインネット公開を予定。その後は2020年上半期のガバナンストークン運用開始、さらにNFCカードやウォレットアプリ等の周辺環境を整備することで、より広く利用しやすいインフラとなるよう進めていく予定だという。
Art Blockchain Networkホワイトペーパーの構成
1章 Art Blockchain Networkのビジョン
2章 このホワイトペーパーの概要
アート市場の課題とその原因、ABNで実現すること、各章で記述されている概要について触れています。
3章 Art Blockchain Networkが取り組む課題
現在のアート市場の解説、現在起きている問題とその原因、今後の技術革新や既に存在するアート×ブロックチェーンの仕組みの課題を踏まえて「作品の出所と来歴の担保」「新たな流通管理手法への対応」「システムのアップグレーダビリティとインターオペラビリティ」の3点にまとめています。
4章 Art Blockchain Networkについて
3章で触れたそれぞれの課題に対してどのようにABNが解決していくか、またABNの基本的な仕組み、 機能、用語の定義について具体的な図解を交えながら記述しています。
5章 技術概要
ABNの技術面についてイーサリアム選択の背景、スマートコントラクトの解説、プライバシー対策やセキュリティ面の仕様などについて記述しています。
6章 他ブロックチェーンプロジェクトとのインターオペラビリティ
既に世界に多く存在するブロックチェーンプロジェクトとの相互運用性が必要な背景、それらを実現する技術的な設計内容について具体例を交えながら記述しています。
7章 ABNのガバナンス
この章では、ABNの目指すネットワーク像をベースに、多くのアート関係者が関わることが可能な協議会の詳細な運営計画、リスクに対処するためのガバナンスについてトークンの役割も含めて記述しています。
8章 法的関係の整理
ABNに参加する個人・法人との契約関係、アーティストと作品所有者それぞれの関係、作品を扱う企業・団体とアーティスト本人との関係性について記述しています。