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CVCの基礎と成功戦略

CVC人材を社内選抜し、育成評価する方法──経営人材育成にも効く組織的なノウハウの蓄積とは?

第4回

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 前回までは、CVCのコンセプトや戦略など、フレームワークに関して書かせていただきました。今回はそのフレームワークの中身を形作る「CVC人材」について様々な角度から考えてみたいと思います。

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「T字型人材」が求められるCVCの具体的な能力

 連載第2回でも触れましたが、VCの活動は大きく「案件発掘」、「投資評価(デューデリジェンス)」、「投資先育成」の三つに分けられます。これらの活動は業務の流れの中で関連性が高いうえ、少人数体制のため分業化が難しいCVC業務においては、一人のキャピタリストが全ての業務に対応することが一般的です。このような業務の特徴から見ると、CVCに適しているのは、スペシャリスト指向よりもゼネラリスト指向の人材といえそうです。

 一方、これらの業務は、企業分析、ファイナンス知識や投資法務など、ゼネラリストの範疇を越えた専門的要素も強いため、一般的なゼネラリスト要素に加え、特定分野を掘り下げていくスペシャリスト要素を合わせ持つゼネラリスト、いわゆる「T字型人材」がより適しているといえます。

 ここからは、もう一段、業務内容を掘り下げて、具体的にどのような特性・能力を持つ人材が必要なのか、要件をわかりやすく説明していきたいと思います。

 VCの活動のうち「案件発掘」は投資対象となるベンチャーを探し、投資の受け入れ可否や条件の交渉を行い、投資機会を作り出す仕事になります。対象となるベンチャーを探すには、成長可能性がある特定の分野を定め、その分野で事業を行っているベンチャーをWebでの検索やメディアの紹介記事等で探し、直接コンタクトを取っていく「自社ルート」と、他社のキャピタリストとネットワークを作り、共同投資案件を紹介してもらう「紹介ルート」と、2つが考えられます。自社ルートで探したベンチャーの情報を、紹介ルートで他社のキャピタリストに流すことができれば、より強い紹介ネットワークを作ることができます。

 この業務内容から考えると、「案件発掘」には次のような特性・能力を持つ人材が必要だといえます。

  1. 新しいものに興味を持ち、理解しようとする好奇心
  2. 積極的にベンチャーにコンタクトしていく行動力
  3. 初対面の人とも親しくなり信頼関係を築くことができるコミュニケーション力
  4. 経営者や他社キャピタリストと同レベルで意見交換できる知識および学習力

 次項では、残りの「投資評価」と「投資育成」に関して、必要となる能力を確認してみましょう。

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CVC人材に必要な「投資評価」と「投資先育成」とは

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この記事の著者

戸祭 陽介(トマツリ ヨウスケ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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