今回の調査レポート「Your Legacy or Your Legend? A CEO’s Guide to Getting the Most Out of New Technologies」は、日本を含む20カ国における8,300社以上を対象にしたIT活用状況の結果をまとめたもので、調査対象者には885名のCEOが含まれる。この調査は、アクセンチュアがこれまで実施した中で最大規模であり、クラウドやアナリティクスなどのほか、人工知能(AI)やブロックチェーン、拡張現実などの新興テクノロジーが調査対象となっている。
アクセンチュアは、調査において「テクノロジーの導入状況」、「テクノロジーの活用度」、「組織文化への浸透度」の3点それぞれに関して企業のスコアを算出。その結果、テクノロジー投資と導入の意思決定を適切に行い、テクノロジーの潜在的価値を最大限に引き出している企業は、わずか10%であることが判明した。この調査では、これら上位10%の企業を先行企業、下位25%を出遅れ企業と定義しました。先行企業は、新興テクノロジーを積極的に導入し、組織全体でのイノベーションを妨げる障壁を取り払うことで、出遅れ企業に比べて2倍以上の収益成長率を実現できているという。
また、調査対象となったCEOの80%が「イノベーション強化に向けて適切なテクノロジーを導入している」と回答し、70%が「自社はイノベーションに向けた投資の知識を豊富に持っている」と回答している。
アクセンチュアは、調査の一環として、先行企業が持つ5つの特徴を特定。このレポートでは、それぞれの頭文字を組み合わせて「PATHS」と名付けている。
- 広範なテクノロジー活用(Progress)
- 柔軟なITシステムの構築(Adaptation)
- 適切な導入手順の策定(Timing)
- 人間とマシンの協働(Human+Machine Workforce)
- ビジネス戦略とIT戦略の融合(Strategy)
アクセンチュア リサーチ部門ITおよびビジネス領域担当マネジング・ディレクターのジェームズ・ウィルソン(James Wilson)氏は「企業は、あらゆる新興テクノロジーを最大限に活用できる仕組みを全社的に構築しない場合、競合他社に後れを取り、業績低下を招く可能性もあります」と話した。