新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を進める中で、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)の重要性が高まるとともに、紙の帳票や文書に関する問題が浮き彫りになっている。ガートナーは、テレワークを進める上で直面する紙問題には以下を挙げる。
- 会社に行かないと仕事に必要な資料を閲覧できない
- いまだにビジネス・プロセスに紙を使い、押印/検印文化が残っている
- 紙にまつわる組織文化と思い込みが社内に存在する
ガートナーは、新型コロナウイルス感染症への対応が当面必要となる可能性を踏まえ、すべての日本企業が「時代は既に変わった」と考えて、電子化と情報活用に向けた活動を加速させるべきだとしている。
ガートナーは、ペーパーレスの視点からテクノロジを展開するためのロードマップを作成している。企業は自社の取り組み状況を確認した上で、テレワークから、より複雑なプロセスを含む電子化や情報活用へ、歩みを進めることができるという。
ガートナーのアナリストでバイスプレジデントの鈴木雅喜氏は、「新型コロナウイルス感染症への対応とテレワークを推進するために、企業は従来の慣行や紙文化を突き崩し、電子ファイル・ベースで業務を進められる環境への移行を図るべきです。その際は、直近の問題にだけ対応するのではなく、視野を広げて、やや時間のかかるペーパーレスとファイル活用への取り組みも検討し、自社の計画を実施していくことが重要です。ペーパーレスやファイル活用の領域に属する製品やサービスは数多く存在していることから、文書管理やワークフロー、ファイル共有などのソリューション選定時に見落としが発生する恐れがあります。また、テレワーク環境を展開するスピードを重視するあまり、企業が間違った選択をするリスクが高まっているため、注意が必要です」と話した。