2020年4月2日から同6日にかけて世界15カ国の約3,000人の消費者を対象に実施した調査では、消費者の購買優先度が既に変化し始めていることが明らかになった。例えば、消費者は全般的な傾向として、調査実施の2週間前と比べ個人向け衛生用品やおよび洗浄用品、缶詰、生鮮食品の購入を増やした一方で、ファッションアイテムや美容品、家電などの購入を控えたと回答。
さらに重要な点としては、こうした消費者の購買行動の変化の多くが今後も持続する可能性が高いことが本調査で明らかになった。さらに、今回の危機により消費者は自ら選んで購入した商品がもたらす健康や環境への影響をより真剣に考えるようになっていることが以下のように示されている。
- 回答者の60%が「身心の健康管理により多くの時間を使うようになった」と答えたほか、57%は「自宅で運動する機会が増えた」と回答。
- 回答者の64%が「食品廃棄物の削減への関心が高まり、今後も関心を持ち続けるであろう」と回答。
- 回答者の50%が「健康をより意識した購入を心がけるようになり、今後もそうするだろう」と回答。
- 回答者の45%が「持続可能な選択(サステナブル・チョイス)を重視した購入を心がけるようになり、今後もそうするだろう」と回答。
パンデミックによるデジタル化の加速
当然のことながらパンデミックの結果、より多くの消費者が食料雑貨をオンラインで購入するようになったことが調査によって明らかになった。このうち、今回の事態をきっかけに食料雑貨を初めてオンラインで購入した消費者は全体の5人に1人を占めたほか、56歳以上に限れば、3人に1人に達した。また、「すべての製品・サービスをオンラインで購入している」と答えた消費者は32%を占め、この数字は今後37%に上昇すると予想される。
また、新型コロナウイルスはデジタル活用をより広範に加速させている。例えば、「テクノロジー製品の購入に関心がある」または「それらの利用機会を増やすことに関心がある」と回答した消費者の数は飛躍的に増加しており、回答者の半数以上がスマートスピーカーやオンラインレコメンデーションアプリ(オンラインで欲しい情報などが入手できる機能)、セルフサービスアプリ、スマート家電、ウェアラブル端末について「利用が増えると思う」と回答。