NECは、米国のスタートアップ企業ClimateAiと共同で、アフリカにおけるカカオおよび米の栽培に対する気候変動適応策の導入効果を推定するコンセプトモデルを構築した。

開発中の画面
アフリカは世界有数のカカオ生産地域であり、農業が主要産業の一つだが、気候変動の影響によりカカオや米の栽培環境は今後数十年で大きく変化すると予測されている。同コンセプトモデルでは、アフリカの複数地点を対象として、カカオおよび米の栽培に対する適応策を対象とした分析を実施。次の3つの適応策に焦点を当て、気候変動下での収量維持・向上と経済的価値の創出を検証した。
- 灌漑設備の導入
- 気候変動に適応した品種への変更
- 従来栽培している品種の作付け時期変更
これらの分析結果のうち一部の結果は、インタラクティブに動作する画面を通じて確認できる。コンセプトモデルの用途の一例として、現地の農業支援を行う国際機関や開発銀行が支援先の農地探索や適応策の導入効果推定に活用することを想定しているという。
なお、同取り組みの結果は、「TICAD Business Expo & Conference(Japan Fair)」などの場での発表を通じて市場の反応を集めつつ、事業化に向けて検討を進めていくという。両社の連携により気候変動が農業に与える影響を科学的に評価し、具体的な解決策を提示することで、持続可能な農業と食の安全保障の実現を目指すとのことだ。
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