本調査結果は、スモールビジネスの支援に携わる公的機関の政策立案をはじめ、支援に携わる方が有効な支援策を実行できるよう、定量的な調査を実施し、公表することとしたもの。freeeは、今後も「Power To スモールビジネス」を掲げ、スモールビジネスに向けた新型コロナウイルスの様々な支援活動を展開していくと述べている。
調査・公表方針
- 一定期間会計freeeを利用しているユーザーを対象とした統計データを分析
- 業種別、月別に、1:売上高、2:地代家賃、3:給料手当、4:仕入高、5:外注費の勘定科目の値を集計し、前年同月比、前月比を計算
- 各勘定科目の集計値自体は公表せず、前年同月比、前月比のみを公表
- 入出金から帳簿への登録までのタイムラグの影響は最小化されるよう調整
調査結果
1:概要
- 全業種において、4月よりコロナウイルスの影響が深刻化しており、4月の売上高が前年同月比で50%未満となった事業所は、31.7%。5月は33.3%。仕入高についても、売上高と同様の傾向が見られる。
- 他方で、地代家賃、給与手当は4月、5月に減少はしているが影響は軽微であり、前年同月比50%未満の事業所は、4月も5月も10%程度である。
- 売上の大きな落ち込みに対して、地代家賃や給与といった固定費の減少が限定的であるため、スモールビジネスの経営への影響は深刻であると考えられる。
- 業種別で見ると、飲食、生活サービス関連業種(理美容等)への影響が大きく、IT関連業種の影響は比較的小さい。
- 飲食、生活サービス関連産業の売上高への影響は、5月も引き続き深刻であるが、4月に比べると改善。その他の業種では、徐々に影響が拡大している。
2:詳細
(1)売上高:前年同月比
- 3月までは半数程度の事業者は売上高が前年同月比で増加しているが、4月、5月は40%程度まで減少している。
- 特に、前年同月比で50%未満の売上高となっている事業者が4月、5月は30%超を占めており、3月以前の15%程度に比べて大きく増えている。
(2)売上高:前月比
- 3月までは概ね前月通りだが、4月は30%弱が前月比で50%未満の売上となっている。
- 5月に入っても前月比で100%以上の事業者が半数に満たず、強い復調の兆しはまだ見られない。
(3)売上高:前年同月比業種別
- 前年同月比で50%未満の事業者割合は全体として増加傾向にあるが、特に飲食業、生活関連サービス業で4月に急増。5月には割合が減少しているものの、飲食業では依然として50%以上の割合を占める。
- IT業では売上高が50%未満の事業者割合は微増に留まっている。