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ロート製薬とウェザーニューズ、「気象データ」と「ヘルスケアデータ」による消費・購買行動の傾向を分析

 ロート製薬とウェザーニューズは、気象を軸に両社の強みを活かしてより多くの方へきめ細かいヘルスケアを提供していくことを目的に、2020年3月より協業を行っている。今回、ウェザーニューズが提供する業界一の高解像度過去気象データ及び独自の体感指数とロート製薬が保有するヘルスケアに関するデータ(商品データ)を掛け合わせたところ、消費・購買行動の傾向に一定の方向性を見出した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] AI・機械学習 企業戦略 データ活用 気象データ 消費・購買行動分析

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(1)実証研究成果(中間)のポイント

  • ウェザーニューズが提供する業界一の高解像度過去気象データ(気温・降水量・天気・湿度・気圧・風速・風向・日射量)及び独自の体感指数とロート製薬の商品の相関関係を試験的に分析。
  • 具体的には、3商品(1:基礎化粧品、2:皮膚薬、3:漢方薬)をサンプルに、店舗ごとの出荷データと1kmメッシュの気象情報(気温・体感指数)を掛け合わせることによって、エリアごと、店舗ごとの消費・購買傾向の特徴を確認。

(2)実証研究の背景と目的

 ロート製薬では、気圧の変化などによる頭痛で悩みを持つ方へ「キアガード」(第二類医薬品)や美と健康の情報誌「太陽笑顔fufufu」など、商品や情報を通じて、気象などにより健康に悩みを抱える顧客の健康をサポートしてきた。また、ウェザーニューズでは、「船乗りの命を守りたい」という原点の想いから、気象情報を本当に必要とする人々のもとに対応策となる情報を届けている。近年は地球温暖化などグローバルレベルでの気候変動に伴い、多くの極端気象も見られるようになり、気象要因で発生する心身の変調は、過去の経験から紐解きつつも、より一層、現在の地球環境に寄り添った対応を求められると考えている。両分野の緊密な連携が人々のお悩みを解決していくと考え、両社が有する過去の気象データと消費・購買動向などを総合的に分析することで、今後の気象における顧客の行動を予測したマーケティングにまつわる実証研究を行っている。

(3)実証研究成果(中間)

 今回の実証研究では、ウェザーニューズ提供する1kmメッシュの高解像度過去気象データ(気温・降水量・天気・湿度・気圧・風速・風向・日射量)及び独自の体感指数と、ロート製薬の3商品3商品(1:基礎化粧品、2:皮膚薬、3:漢方薬)の店舗ごとの出荷データを掛け合わせ、気象条件が購買に及ぼす影響を分析した。

 気温等の気象要素に加えて使用した独自の「体感指数」では、ウェザーニューズに寄せられるユーザーの体感報告と天気・気温・湿度・風速などの過去の気象データの分析結果から「暑い」「寒い」「ちょうどよい」などの10段階で人の体感を指数化。例えば、同じ気温でも、北海道と沖縄では暑さや寒さの感じ方が異なり、このような地域特性も反映したデータとなっている。

 店舗ごとに存在する出荷データに対し、従来よりも細かい1kmメッシュの気象データおよび消費行動に直結する「体感指数」を掛け合わせることによって、1kmメッシュや店舗ごとの購買傾向の特徴がより明瞭に確認できた。

気象データ

1kmメッシュごとの相関分析

1:基礎化粧品

 基礎化粧品の出荷データについて、気象データとの相関を分析したところ、東京都においては気温が下がると購買が上昇する、気温と購買の負の相関が見られた。1kmメッシュで詳細に分析すると、東京都の中でも、メッシュごとに気温が商品の購買に及ぼす影響が大きく異なることがわかったという。また、1kmメッシュ内において店舗ごとの相関を見てみると、同じ1kmメッシュ内においても、店舗によって気温による購買傾向が異なることが確認できた。

気象データ

2:皮膚薬

 皮膚薬の出荷データについて、体感指数との相関を1kmメッシュで詳細に分析することで、体感が購買に及ぼす影響がより明瞭に確認できた。同じ東京都の中でも、あるエリアでは体感指数が上がると購買も上昇する正の相関が見られる一方で、体感指数が上がると購買が減少する負の相関が見られたエリアがある。また、正の相関が見られる1kmメッシュ内においても、店舗ごとに相関の強さが異なることが確認できた。

気象データ

3:漢方薬

 2の皮膚薬と同様に、漢方薬の出荷データについて、体感指数との相関を分析したところ、1kmメッシュのエリアごとに体感が購買に及ぼす影響に大きな違いが見られた。体感指数が上がると購買が上昇する正の相関が見られるエリアと、負の相関が見られるエリアが隣接していたり、隣接するエリアでも相関の強さが異なったりするなど、1kmメッシュの高解像度で分析することで、エリアごとの特性がより明瞭に確認できた。

気象データ

(4)今後の展開

 本実証研究により、3商品(1:基礎化粧品、2:皮膚薬、3:漢方薬)をサンプルに、店舗ごとの出荷データと1kmメッシュごとの気象データ(気温・体感指数)を掛け合わせることによって、エリアごとの消費・購買傾向の特徴を確認することができた。また、より解像度を細かくした詳細な分析により、1kmメッシュや店舗ごとに気象条件による購買傾向が異なることが明らかになった。

 今後は、新型コロナウイルスの影響も加味し、他の商品データや対象エリアの拡大、リアルタイムの気象データも取り入れながら、気象要因で発生する心身の変調に関する実証研究を継続していくと述べている。