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働き方のニューノーマルを考える

テレワーク時代のコンプライアンスをオリック東京法律事務所がケーススタディとともに解説

第2回

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実はコンプライアンスリスクが高い!オンライン飲み会

ケース3:オンライン飲み会

遠野:オンライン飲み会にも、法的観点からリスクはあるんですか?

金比羅:リラックスした雰囲気は親睦を深めるにはプラスだけれど、業務とプライベートの境界が不明確になりがちな点に注意が必要です。特にパワハラ・セクハラを含む不適切な発言に気を付けなくてはなりません。

 また、たがが外れることで個人情報や他人の機密情報を漏洩させてしまうリスクもあります。「気が緩んだからついつい……」で済まされるものではなく、特にオンライン飲み会は録画や録音などの記録機能があるため、「言っていないよ」では逃れられないこともあります。

 コミュニケーションツールによっては、レコーディング(録画・録音)が基本となっている場合もある。そのため、オンライン飲み会だけでなく、オンラインミーティングやウェビナーなども同様に、肖像権やプライバシー保護の観点から、録画することや使用目的などを事前告知するべきだ。また、矢倉氏は、オンライン会議システム、SNSの利用指針などを策定すると同時に社員の教育・トレーニング実施も忘れずに行う必要があると教示した。

ケース4:社員が新型コロナウイルスに感染した場合の対応

遠野:自分と妻が新型コロナウイルスに感染してしまったら、どうしたらいいですか?

金比羅:本人およびその家族がコロナ感染した事実は、あくまで「個人情報」です。しかも、特にその取り扱いに配慮が必要な「要配慮個人情報」と理解されています。したがって、最大限の配慮の下で公表の要否とその内容について検討する必要がありますが、民間企業における告知・公表を課す法律はありません。つまり、法的に決められた対応があるわけではなく、個人情報保護・プライバシー配慮を大前提としながら、自社従業員への安全配慮義務(感染拡大予防措置)の履行、顧客・取引先の保護などを考慮しつつ、さらに消費者・メディアの関心にも注意を払うべきです。上記を踏まえ、会社ごとにバランスのとれた対応が必要となります。

 「もしも社員が『陽性』と判定されたら」多くの企業が同じような不安を抱えているだろう。

 矢倉氏は、社員に新型コロナウイルス感染の事実が発生した場合の対応について、次の順番で各アクションの要否、そしてアクションを取る場合にはその内容について、検討を進めていくとよいと話す。欧米諸外国においては、プライバシー保護の観点からも、日本に比べても慎重に検討されていることも紹介した。

  1. 社内告知
  2. 取引先、近隣テナントへの連絡
  3. ニュースリリースなどの外部公表

 コロナ禍にともなって、テレワークやオンライン飲み会など、新しい働き方やコミュニケーションが注目されているが、それは必ずしもポジティブな面だけでは語れない。矢倉氏は、新たなリスクにも目を向けて上手に取り入れていくには、コンプライアンス(法的知見)から会社の仕組みや制度を見直す必要があると語り、講演を締めくくった。

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