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働き方のニューノーマルを考える

テレワーク時代のコンプライアンスをオリック東京法律事務所がケーススタディとともに解説

第2回

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テレワーク時の労務管理のあり方

ケース2:テレワーク時の労務管理

遠野:うちは共働きで、幼稚園に通う子どもがいます。新型コロナウイルス感染拡大の第二波が来て幼稚園が閉鎖になったら、子どもを見るときの夫婦間のシフトも変わるかもしれません。たとえば夫婦交代で深夜や早朝にテレワークをすることを考えたら、会社としては対応をしてくれるのでしょうか?

金比羅:雇用者の義務として、会社は社員の労働時間を適正に把握・管理しなければいけません。同時に「社員の健康確保」の観点からも、労働時間の状況を把握する義務があります。その大前提があるからこそ、深夜・早朝の労働を認めることが不適切な場合もあります。社員側には、会社のそうした“大前提”を理解してもらう必要があります。また、コンプライアンスの観点からは、会社がこれらの義務を適切に履行しているか、そのための記録、証拠化ができているかという点も重要となります。

 この場合、「テレワークでの稼働時の労務管理」とは具体的にどのようなものか。矢倉氏は、「労務管理は賃金支払の算定の根拠という点で重要ですが、さらに、適切な勤務評定・人事評価にも関連する部分であります。“時間”だけでなく、“いつ”“何をしたか”といった実質面の管理も含む「適切な労務管理」の観点での制度設計も重要となります」と語る。

 これを受けて杉田氏は、適正な労働時間管理方法として、

  • テレワークの趣旨、目的への理解
  • ルールの策定、告知、トレーニング
  • 適時の時間報告、オンラインツールの利用
  • 定時のチームミーティング、ラップアップなど

を紹介。また、テレワークにともなう諸経費の精算については

  • 一律の手当支給もしくは都度精算
  • 就業規則の変更

が対応として考えられると話す。

 「諸経費の精算」に関連して、矢倉氏は「社員が自宅作業で使ったプリント用紙・インクなどの精算にも社内規定を設け、リストアップ化しておくのがよい」とアドバイスする。会社の担当部門が社員の働き方の変化に対応し、それをしっかりと「明文化・ルール化」しておくのがベターだというのだ。

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