スタートアップとの連携で新規事業につなげるSAP、戦略知財部員の育成を行う積水化学工業
新規事業を徹底して「出島」で行い、同社の年間売り上げの6割を占める新規事業を創造している企業もある。ドイツの巨大ITベンダーのSAPはシリコンバレーに出島をおき、スタートアップからさまざまな技術を持ち込んでもらっている。一般的に、企業に持ち込まれた新規事業の知財はその企業が囲い込んでしまうことが多い。しかし、SAPはアイデアや技術の共同出願、共同保有を基本的に行わない。なぜなら共同保有をしようとすると、交渉・調整に時間がかかってしまうからである。
スタートアップはスピードを求める。SAPシリコンバレーは、スタートアップの代わりに契約等をスピーディーに行い、内外のファンドを使って支援し、さらにはSAP外へのEXIT支援も行っている。そのため、スタートアップがSAPにアイデアや技術を持ち込む土壌ができてきている。SAP本社は外部のイノベーションシーズを受け取る土壌が持てる形だ。