スマホアプリが生み出すビジネス効果
20〜30代の顧客を中心に大きな支持を得た「りそなグループアプリ」だが、ビジネス面でのインパクトはどのくらいあったのか。伊佐氏は様々な効果の中から、「積立定期預金の口座開設」と「外貨預金の口座開設」という2つの事象を紹介した。
2020年8月で、積立定期口座開設の取り引きの78%がアプリ経由であり、外貨預金口座開設においては89%がアプリを経由しているという。差分は為替変動の効果と予想され、為替が動いた時に口座開設から預金まで一気にできることが口座開設の要因になったのではないかと推測されている。そして、1年目のアプリ経由と比較すると、積立定期で15%から78%、外貨預金で47%から89%と、利用が激増したというデジタル化のスピードにも驚かされる。さらに店頭での取り引き件数が変わっていない、ということも特筆すべき事項だろう。チャネルシフトが起きたのではなく、これまでリーチできていなかった顧客の“新たな取り引き”を取り込むことに成功しているというわけだ。他の取り引きについても同じ傾向にあるという。