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りそなホールディングス伊佐氏が語る、りそなグループのデジタルバンキング戦略

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りそなのデジタルバンキング戦略の柱となる3つの取り組み

 2015年にオムニチャネル戦略を打ち出し、2018年には個人向けスマホアプリ「りそなグループアプリ」の提供を始めたりそなグループ。ホールディングス傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行の個人客1600万人分の口座を管理し、全国約830に上る有人店舗ネットワークを有する、日本屈指の銀行グループだ。特に埼玉、大阪、兵庫、滋賀などに強く、相応のマーケットシェアを持つ。

 伊佐氏は2003年にマーケティング戦略部に異動して以来、個人向けサービスやマーケティングを担当し、「りそなグループアプリ」にも立ち上げ時から企画担当として参画している。スマホを起点とした新たな個人向けビジネスモデルの実現に力を注ぎ、2019年に立ち上げたデータサイエンティスト室長も務めた。

 2020年4月から新たな中期計画をスタートさせ、その中で“脱・銀行”への挑戦に向けた取り組みとして、「オムニチャネル戦略の進化」「オープンイノベーション」「『デジタル&データ』『デザイン思考』『オープン』の重視」の3つを挙げた。

 1つ目の「オムニチャネル戦略の進化」として、伊佐氏は「2015年から開始しているが、まだまだ道半ば」と評しつつ、様々なチャネルを有機的に結合する取り組みをさらに加速させていくことを強調した。そして、2つ目の「オープンイノベーション」については、「既に銀行単体ではお客様に満足いただけるサービスを迅速に提供するのは難しくなった。外のパートナーとコラボレーションすることで、品質やスピードを追求しながら、よりよいサービスを作り届けていきたい」と語った。

 そして3つ目の「『デジタル&データ』『デザイン思考』『オープン』の重視」についても説明した。いずれも“次世代”のリテールサービスを目指す上で重要なキーワードとなることは明白であり、とりわけ伊佐氏はサービスの品質を上げるものとして、「デジタル&データ活用」に期待を寄せているという。

 これら中期戦略を受けて、りそなグループでは「デジタルバンキング戦略」を構想。「顧客を真ん中に置くこと」にこだわり、既存支店では接客にATMやタブレットなどを組み合わせたフルサービス提供、デジタルチャネルでは「会えていなかった顧客」へのリーチ&サービス提供の2軸で展開し、そこにデータ活用によって新しい価値提供を行っていくと話す。

 しかし、そうした構想に対し、伊佐氏は「決していまだ十分とはいえない」と語る。特にデジタルチャネルにおいては早々からインターネットバンキングなどを提供してきたが、稼働率は決して高くないという。

「デジタルでの接点がない顧客はまだ多く、いまだ困った時にはハンコを片手に支店に駆け込むしか手段がありません。その支店でも十分にデータを活かせておらず、分析も道半ば、商品も対面対応のみの設計で開発されています。目指す姿と現状のギャップを埋めることこそ、『デジタルバンキング戦略』と考えています」(伊佐氏)

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